ボーダーコリー ページ29
『仁坂A』
『……？』
まぶたに刺さる光に、少し眉を寄せながら目を開ける。
辺りを見渡すと、そこは自室のベッドの上だった。
『……！ ジュンく、』
横に温もりを感じてそちらを向くが、そこにあったのは小さいクッション。
胸を撫で下ろすと同時に、リビングへと足を運ぶ。
身体に合わないソファの上で眠りこけていたのは、昨日からずっと一緒にいた彼だった。
「……、さん、」
『！ 起きてないですよね……？』
小さく名前を呼ばれた気がして肩が跳ねる。
何かしら言葉を紡いだであろうその唇は、薄く開かれて息を吐いていた。
思わず寄せ付けられてしまうほど整った顔に、慌てて口を押さえる。
『……はみがきしてから。これだいじ。』
ーーー…
『さざなみくーん……もう起きてはどうでしょう？』
「ん、や……もーちょい、」
『けれどこのままでは朝食が摂れませんよ？』
「Aさんといればお腹いっぱいです。」
私の背中に張り付いて、漣くんは頭をぐりぐり押し付ける。
もう午前九時。幸い仕事はないが、本来なら朝食は摂り終わってる時間帯だ。
『何か食べましょうよ〜……筋肉には食事が不可欠では？』
「これから映画の撮影で体重落とさなきゃなんで丁度良いんすよ、へーきっす」
『そんな不健康なダイエットは許可できません。』
「……でもAさん、いっちゃう。」
きゅう、と私のお腹に回す手の力を強くする漣くん。
反射で天を仰ぎたくなったが、ぐっと堪えて声を捻り出す。
『食べるときは一緒ですよ、すぐ戻りますってば。』
「昨日に続いて、オレおあずけされすぎだと思うんすよ。」
急に背中にあった身体が消えて、ぐらりと後ろに寝そべるように倒される。
真上には不服そうな漣くんの顔。
「あんなとこで寝るとか意味わかんねぇ。Aさんは男知らなさすぎ。」
『……漣くんなら大丈夫かなと』
「何で今あんたが寝巻きだと思ってるんです？」
そう言われた言葉に、思わず瞬きする。
考えてみれば、私は部屋着からパジャマに着替えられている。
眠ってしまったときは部屋着だった。と、いうことは。
「ね、男は皆そういう生きものなんですよ？」
『さ、ささささざなみく』
「え、気づいてなかったんだ。オレ、案外尽くしたいタイプで。」
にやにやと笑う漣くんに、どんどん頬が熱くなる。
「
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生しょうが(プロフ) - 錦さん» うわぁ、またまたそんな萎えるミスを……ご指摘ありがとうございます……！ (1月6日 17時) (
レス) id: 3da0e90f37 (このIDを非表示/違反報告)
錦(プロフ) - ページ22「バセンジー」に名前変換ミスらしき単語が…((ｺｿｯ (1月6日 13時) (レス) @page22 id: 7f2cf0d803 (このIDを非表示/違反報告)
生しょうが(プロフ) - にとろさん» 小さな奇跡が……！解釈一致すごい嬉しいです！こちらこそ楽しんでいただきありがとうございました！ (10月24日 23時) (レス) id: 9fefad8449 (このIDを非表示/違反報告)
にとろ - 初コメ失礼します‼夢主ちゃんの誕生日と私の誕生日が同じで、ついマジかよってなりました。ジュンくん解釈一致で堪らなく好きです！最高な作品ありがとうございます😊 (10月13日 23時) (レス) @page2 id: 5c45186ae9 (このIDを非表示/違反報告)
生しょうが(プロフ) - 綾さん» うわぁぁ自分も大好きです！！！読んでいただけてめちゃくちゃ嬉しいです〜！きゅんきゅんできるような小説作れて良かったです……笑 (8月15日 16時) (レス) id: 9fefad8449 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：生しょうが | 作成日時：2023年4月4日 0時
