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再会 ページ1

「あのっ、Aさんっすよね?」

『……あ、漣くん。お久しぶりです。』



とんとん、と肩を叩かれ、振り向いた先には大きな身体。

久しく会っていなかった仕事相手の『漣ジュン』くんの姿があった。



「うわ、まじで久しぶりです……。元気してましたか?」

『はい。大きな病気も怪我もなかったです。漣くんのほうは?』

「オレも元気でした。今日は何の仕事っすか?」

『私はいつでも事務仕事です。今は副所長に提出する書類をまとめているところですね。』

「あ、茨に用なんすね。ならオレも一緒に行っていいっすか?」

『漣くんも副所長に用が?』

「今できました。」



僅かに口角を上げる漣くんに少し言葉が詰まる。

しかしすぐに手元の書類へ意識を戻し、整理を終えた。



「オレも持ちますよ。」

『いえ、さすがにアイドルに雑用を押し付けるわけにはいきません。お心遣い感謝します。』

「Aさん、何かオレにだけ硬くないっすか……? わりとナギ先輩とはフランクに話してるイメージあるんすけど。」


『…………気のせいでは。』


「何ですかその間。」



けらけらと笑い、私の顔を覗き込む。

私は瞬時に顔をそらして黙りながら歩き始めた。



『さ、漣くんがフランクすぎるだけでしょう。私は仕事仲間に適した距離だと思いますが。』

「あー……だからか。」

『だから、ですか?』

「ほら、仕事仲間として適した距離だからオレは物足りないんだなって。」



さらっと言ってのけた言葉に、思わず足がとまる。

紙束からひらり、と一枚書類が飛んでった。



「おっ……と。危なかったっすね〜。」

『は、はあ。ありがとうございます…』

「あれ、何か顔赤くないっすか。」



床に落ちるすんでのところで、漣くんが器用にキャッチする。

私が持っている紙束のいちばん上に置いてから、きょとん、と首をかしげた。



『いえ、別に……赤くないと思います。』

「いや赤いっすよ、わりと。ははっ、耳まで真っ赤。」

『あれ、ここの廊下少し暑いですね。』

「ポケットからカイロはみ出してますけど」



さっと確認する私の額を、漣くんはつつく。

そして人差し指を口元に当ててその双眸(そうぼう)を細めた。



「うそ。」



なんてことしてくれんだこの顔面凶器。






____君に会ってから、私の脳内が忙しくて仕方ない。

キャラクター→



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生しょうが(プロフ) - 錦さん» うわぁ、またまたそんな萎えるミスを……ご指摘ありがとうございます……! (1月6日 17時) (レス) id: 3da0e90f37 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ページ22「バセンジー」に名前変換ミスらしき単語が…((コソッ (1月6日 13時) (レス) @page22 id: 7f2cf0d803 (このIDを非表示/違反報告)
生しょうが(プロフ) - にとろさん» 小さな奇跡が……!解釈一致すごい嬉しいです!こちらこそ楽しんでいただきありがとうございました! (10月24日 23時) (レス) id: 9fefad8449 (このIDを非表示/違反報告)
にとろ - 初コメ失礼します‼夢主ちゃんの誕生日と私の誕生日が同じで、ついマジかよってなりました。ジュンくん解釈一致で堪らなく好きです!最高な作品ありがとうございます😊 (10月13日 23時) (レス) @page2 id: 5c45186ae9 (このIDを非表示/違反報告)
生しょうが(プロフ) - 綾さん» うわぁぁ自分も大好きです!!!読んでいただけてめちゃくちゃ嬉しいです〜!きゅんきゅんできるような小説作れて良かったです……笑 (8月15日 16時) (レス) id: 9fefad8449 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:生しょうが | 作成日時:2023年4月4日 0時

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