励ましてほしい。《漣ジュン》�� ページ22
『た、ただいま……？』
「おかえりです。ココア淹れといたんで、飲むならどーぞ。」
『あ、もらう。ありがと。』
ジュンから手渡されたココアの入ったマグカップを持つ。
ちょうどよく温められていて、ずっと触っていたいと思える心地良さだった。
「……そんで、今回はどうしたんです？」
『今日、お父さんに言われて____』
たどたどしく言葉を紡いで、思い出したくもない言葉を思い出す。
時折ココアを飲みつつ話し終えると、ジュンは大きく息を吐いた。
「はーっ、あんたの親父さんもなかなかクソですよね。うちのと違って、逃げ道塞いでくる感じ？ ちょっとよくわかんないですけど。」
『……あはは、ジュンには負けるよ。』
「そんなガチっぽく言わないでくださいよぉ、悲しくなる。」
床に散乱した酒瓶を見て、私は渇いた笑いが漏れる。
しかしジュンはそんなこと気にも留めていないのか、腕だけを伸ばして私の頭を撫でた。
「つらいときは、つらいって言っていいんですよ。オレと比較して、自分はつらいなんて言っちゃいけないんだ〜って、気持ちに蓋しないでください。」
『……でも、ほんとに私は、』
「大体、こっちがつれぇって言ってんのに、急に集団に目ぇ向けるって何なんすかねぇ。世界には強盗に入られた人なんて何万人といるんだから、おまえは財布スられたくらいで警察呼ぶなって言ってるようなもんですよ。」
『それ、スケールが違うだろって言われる。』
「スケール違っても考え方は一緒でしょ。危険因子予備軍じゃないっすか。」
自分の親を貶されているはずなのに、ジュンの言葉を聞いてると何だか心が温かくなってくる。
私の様子を見て、ジュンは隣まで歩み寄り、すぐそばに腰をおろした。
「Aさんはすごいですよ。頑張りを認めてくれない奴に扱き下ろされても、そうやって自分の力不足で悩めるんだから。誰かに助けてって言えるんだから。」
『……そう、かな。』
「助けを求めるのも、何かと勇気とかいるでしょーが。甘ったれてるとか思うのは間違いっすよぉ。」
「それこそ、しばらく会ってなかったオレに頼るのは気まずかったでしょ？」と笑う。
けど、どうしてもジュンに言いたくて、会いたくて、こうして来たことは、甘えじゃないんだろうか。
「あんたみたいに優しい人は、誰かに頼るなんてできないでしょうから。」
____頭ごなしに否定してくるような奴じゃなくて、オレにだけ頼ってくださいよ。
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生しょうが(プロフ) - 錦さん» キャラとかいっぱい設定つけちゃうので、感情移入できるって言われるとすごい安心します……。べた褒め嬉しすぎるし、これからも頑張って小説書いていきますので、ずっと好きでいてください！！ (10月12日 21時) (
レス) id: 9fefad8449 (このIDを非表示/違反報告)
錦(プロフ) - リスタートの方から飛んで来ました。生しょうがさんの作品は語彙力が高いし話の構成やキャラの気持ちの表現が上手くて、読んでて感情移入が止まらない…！とても好きです…！！！ (10月10日 6時) (レス) @page23 id: 7f2cf0d803 (このIDを非表示/違反報告)
生しょうが(プロフ) - 立花さん» 自分こそあなたのコメントで癒されました好きです！！これからも頑張ります！ (2022年11月2日 0時) (レス) id: 1856a8e0e6 (このIDを非表示/違反報告)
立花 - 日々の疲れが癒されましたさすが生しょうがさんですね好きです（ノンブレス）ありがとうございます疲れどころか私の体も吹っ飛びました！最高です好きですやったあ！！！いつまでも追い続けます！！ありがとうございます〜！ (2022年11月1日 23時) (レス) @page11 id: f747a95a03 (このIDを非表示/違反報告)
生しょうが(プロフ) - 立花さん» そちらも見てくださったんですか!?ありがとうございます！リクエストも了解しました！初リクエスト頑張ります〜！ (2022年10月29日 17時) (レス) id: 1856a8e0e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：生しょうが | 作成日時：2022年10月9日 1時
