励ましてほしい。《漣ジュン》�� ページ21
____おまえだけじゃないんだから。
「あれ、久しぶりですねぇ〜、Aさん。」
『……ジュン。久しぶり、家入っていい？』
「図々しいのはお変わりないようで。ま、全然構わねぇですけど。」
雨でずぶ濡れになった私に、さっと傘を傾けるジュン。
そのまま傘を預けて、小走りで家の玄関を開ける。
「オレ、今は寮生活なんで、家に帰ってきてたのも偶然なんすよぉ？ これからはこんなことやめてくださいね。」
『わ、ラッキーだったね。』
「そういう問題じゃないんすけど……。まぁいーや、親父は多分上で寝てるんで、くつろいでってください。」
玄関口で靴を脱ぐジュンの後ろ姿をぼーっと見つめる。
気がつけば、その大きく温かい背に力なく縋り付いていた。
「ぅわっ!? え、な、なな、何を……っ」
『……ジュン、私って甘ったれてるのかな。』
親との折り合いは、いつもつけてきたつもりだった。
それでも、彼らの言葉で大小問わず傷ついてきたのも事実だ。
「あなた以上につらい思いをしている人はいくらでもいるのよ？」
「そうやって落ち込んでいて、何か進化があるか？」
「____おまえだけじゃないんだから。」
『っ、……私、口開けば弱音ばっかで。こうやって、ジュンに頼ることしかできないから。駄目な子、かな……』
ばかだ。こんなこと言っても、優しいジュンは私を庇ってくれる。庇う選択肢しかなくなる。
こんなずるして、ジュンを困らせて。
「っあ〜もう！ いいかげん離れてくれませんかねぇ〜!? あんた雨でびっしょびしょなのに、背中にひっつかれると気持ち悪りぃでしょうが！」
静まった家の中で、ジュンの透き通った声はよく響く。
びくっと離れた私に振り返って、ジュンは控えめに頭を撫でる。
「……とりあえず、風呂でも入ったらいいんじゃねぇですか？ 今から沸かしたら、シャワー浴びてる間に温まると思いますし。」
『う、うん。』
「着替えは〜……どうすっかな。オレので良いなら、中学のときのジャージとかはありますけど。」
『それで大丈夫、嫌じゃないよ。』
くすぐったいのか、目線を下げて話すジュン。
靴を脱いだ私を浴室まで案内してくれた。
「ドライヤーはそこで。あー、バスタオル……は、ちょっと待ってください、たしかここに新品が……」
引き出しの中から真っ白いバスタオルを取り出す。
『ありがとう。』
嗅ぎ慣れない、新品の匂いを抱きしめた。
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生しょうが(プロフ) - 錦さん» キャラとかいっぱい設定つけちゃうので、感情移入できるって言われるとすごい安心します……。べた褒め嬉しすぎるし、これからも頑張って小説書いていきますので、ずっと好きでいてください！！ (10月12日 21時) (
レス) id: 9fefad8449 (このIDを非表示/違反報告)
錦(プロフ) - リスタートの方から飛んで来ました。生しょうがさんの作品は語彙力が高いし話の構成やキャラの気持ちの表現が上手くて、読んでて感情移入が止まらない…！とても好きです…！！！ (10月10日 6時) (レス) @page23 id: 7f2cf0d803 (このIDを非表示/違反報告)
生しょうが(プロフ) - 立花さん» 自分こそあなたのコメントで癒されました好きです！！これからも頑張ります！ (2022年11月2日 0時) (レス) id: 1856a8e0e6 (このIDを非表示/違反報告)
立花 - 日々の疲れが癒されましたさすが生しょうがさんですね好きです（ノンブレス）ありがとうございます疲れどころか私の体も吹っ飛びました！最高です好きですやったあ！！！いつまでも追い続けます！！ありがとうございます〜！ (2022年11月1日 23時) (レス) @page11 id: f747a95a03 (このIDを非表示/違反報告)
生しょうが(プロフ) - 立花さん» そちらも見てくださったんですか!?ありがとうございます！リクエストも了解しました！初リクエスト頑張ります〜！ (2022年10月29日 17時) (レス) id: 1856a8e0e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：生しょうが | 作成日時：2022年10月9日 1時
