取調室 ページ4
ショップを出る私の手には、クリスマスを意識したデザインの紙袋。
そして、中には、キレイにラッピングされた手袋。
真紀に、半ば強引に買わされた、ニカへのクリスマスプレゼント。
真紀は、私よりもずっと大きな紙袋を手に、満足そう。
どうしよう……これ。
会える可能性も低い。
連絡先も知らない。
ただ、隣に住んでいることだけは、確か。
渡せるのかな……。
不安しかない私の腕に、真紀の腕が絡まると、
「話、聞かせてもらおっか。」
少し冗談混じりに、でも、優しさに満ちた声で言ってくれた。
今日は、ニカのこと、話さないですごそうと思ってたけど、どうやら、許してもらえそうもない。
「…… うん。聞いてもらおっか。」
イルミネーションがきらめき始めた並木道。
遅めのティータイムよりも、早めのディナーを選んだ私たちは、一本裏通りのよく行く創作和食のお店へ向かった。
・ ・ ・
カウンター席と仕切られたテーブル席。
今日は、真紀とガッツリ話し込む予定なので、迷わず奥のテーブル席を選んだ。
照明の落とされた店内は、落ち着いた雰囲気で、数年間通ったおかげで顔見知りとなった店長。そして、優しい奥さん。
「真紀ちゃん。結婚おめでとう。」
「ありがとうございます。」
「今日は、私たちからお祝い。サービスするからね♪」
「わぁ〜、嬉しいっ！今日は、長居しちゃおうかなっ。」
席につくと、わざわざ奥さんがそう言いに来てくれた。
少し離れたカウンターの向こうで店長が手を振ってくれた。
素敵なご夫婦。
お店の雰囲気と同じ、落ち着いていて、暖かな二人。
私のお気に入りの居場所のひとつ。
「さて、何から聞けばいいかな？」
適当に料理を頼むと、真紀がビールを片手に真正面から言ってきた。
私もビールのグラスを手にすると、真紀のグラスに軽くぶつけてから、一口飲んだ。
これが、取り調べスタートの合図。
女の子は、いくつになってもお喋りが大好きで、恋の話は、大好物。
親友の話となったら、黙ってなんていられない。
興味津々、でも、どこか私を心配するような真紀の眼差しに見守られながら、私はゆっくりと話始めた。
「うちの隣にね……、」
ニカのシルエットを初めて見た、あの日から。
何一つ、溢さないように。
ひとつひとつ。
真紀は、時々、相づちをうちながら、私の言葉を真剣に聞いてくれた。
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植尾あい(プロフ) - ちいさん» 生き甲斐だなんてっ！感激です。『欲張り』のあのシーンは、書き始めた時から、絶対に書く！と、決まってたシーンなので気に入って貰えて嬉しいです！仔犬感と大人感のバランス、うまくとりながら、日々、妄想に励みますっ(笑) (2015年3月2日 11時) (
レス) id: dd156b7728 (このIDを非表示/違反報告)
ちい(プロフ) - 作者様の作品を読むのが最近わたしの生き甲斐レベルです（ ; ; ）もう仔犬なのか立派な男なのかわからない魅力的すぎる隣人ニカちゃんに毎日萌えています//私も欲張りのあのシーンたまらなく好きです！溢れ出す妄想、これからも楽しみに読ませていただきますね！ (2015年3月2日 2時) (レス) id: 7ce2ec877c (このIDを非表示/違反報告)
植尾あい(プロフ) - aiMyuさん» 通勤のお供になれて光栄です！私的に朝が都合よくて、朝更新してますが…そうですか、不審者(笑)これは、大人な展開は、避けた方がよさそうですね。朝からねぇﾌﾌｯ。帰宅後に読み返して貰えるなんて！ありがとう。これからもよろしくお願いします！ (2015年2月26日 20時) (レス) id: dd156b7728 (このIDを非表示/違反報告)
aiMyu(プロフ) - コメ返しwwあの、あいさんて朝更新してるじゃないですか？私、通勤中に読むんですよね。毎朝、電車内でフゥーって息吐きながら、ニヤニヤしちゃって…私、完全に不審者ですwwそして帰宅してから読み返す♪♪本当に尊敬してます☆ (2015年2月26日 15時) (レス) id: 81939e753e (このIDを非表示/違反報告)
植尾あい(プロフ) - キスマイさん» ハイハイ♪いらっしゃーい(笑)自分でももどかしくなりながら書いてます。でも、皆さんにキュンしてもらえて頑張れます！仕事バラしはねぇ……ｳﾌﾌ…お楽しみに♪いつでもお喋りしに来て下さいね♪お待ちしてまーす。 (2015年2月26日 8時) (レス) id: dd156b7728 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：植尾あい
| 作成日時：2015年1月19日 8時
