大丈夫 ページ38
「私は、絶対にAの力になるから。その為に、ニカと連絡先交換する必要があったの。」
「うん…。」
真紀の言ってることがよくわからなかったけど、いつでも私の味方でいてくれる真紀を疑うなんてできない。
「会ってわかった。」
「何が？」
「ニカなら、きっと、大丈夫。」
リビングに視線を向けた真紀が言い切った。
その横顔は、どこか切なげだったけど、その言葉には力があった。
「うん。」
真紀の言葉に救われるように、私の恋は、また、少し前進する。
不安を抱え、立ち止まりながら、それでも、キミに近づきたくて。
・・・
真紀を見送ってリビングに戻ると、クッションに埋もれたニカが、振り向いた。
「コーヒー、おかわり頂戴。」
「うん。」
差し出されたマグカップを受け取るとキッチンへ入る。
コーヒーをドリップしている間、今までにない沈黙が続いた。
ニカと真紀のやり取り、感じた疎外感、嫉妬した自分、真紀の言葉、全部が私の中でひしめき合い、話し出すきっかけを失っていた。
ニカも何かを考えているかのように、窓の外を眺めていた。
二人分のコーヒーを入れると、リビングに戻ってニカの前にマグカップを置くと、元の場所へと座った。
「ありがと。」
「うん。」
「Aちゃん、さっきから『うん』しか言ってないよ。ﾌﾌｯ」
「あっ……うん。や、そう？」
柔らかく笑うニカに指摘されて気が付く。
慌てる私を笑うニカは、もう、いつものニカで、少しホッとした。
私の知ってるニカだ。
「変なAちゃん。」
そう言って私を見る目は、優しくて。
聞こえてしまうんじゃないかと思うほど、私の鼓動が速まる。
思わず手を胸に当てて小さく息を吐いて俯く。
「大丈夫だから。」
そんな私の心が見えたのか、ニカの声が優しさを帯びて降ってくる。
ゆっくりと顔をあげると、埋もれていたクッションから体を上げて、私に向かい合うニカがいた。
「大丈夫って？」
「真紀ちゃんの連絡先聞いたけど、真紀ちゃんのペットになる気はないから。ﾝﾌｯ」
「ﾌﾌｯ… 真紀は、ペットにならいいかもって、言ってたよ。」
少しずつ、いつもの空気に戻っていく。
「やだよ。」
ニカが、仔犬モードに切り替えるから、私だって、この距離を保とうとするんだよ。
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植尾あい(プロフ) - ちいさん» 生き甲斐だなんてっ！感激です。『欲張り』のあのシーンは、書き始めた時から、絶対に書く！と、決まってたシーンなので気に入って貰えて嬉しいです！仔犬感と大人感のバランス、うまくとりながら、日々、妄想に励みますっ(笑) (2015年3月2日 11時) (
レス) id: dd156b7728 (このIDを非表示/違反報告)
ちい(プロフ) - 作者様の作品を読むのが最近わたしの生き甲斐レベルです（ ; ; ）もう仔犬なのか立派な男なのかわからない魅力的すぎる隣人ニカちゃんに毎日萌えています//私も欲張りのあのシーンたまらなく好きです！溢れ出す妄想、これからも楽しみに読ませていただきますね！ (2015年3月2日 2時) (レス) id: 7ce2ec877c (このIDを非表示/違反報告)
植尾あい(プロフ) - aiMyuさん» 通勤のお供になれて光栄です！私的に朝が都合よくて、朝更新してますが…そうですか、不審者(笑)これは、大人な展開は、避けた方がよさそうですね。朝からねぇﾌﾌｯ。帰宅後に読み返して貰えるなんて！ありがとう。これからもよろしくお願いします！ (2015年2月26日 20時) (レス) id: dd156b7728 (このIDを非表示/違反報告)
aiMyu(プロフ) - コメ返しwwあの、あいさんて朝更新してるじゃないですか？私、通勤中に読むんですよね。毎朝、電車内でフゥーって息吐きながら、ニヤニヤしちゃって…私、完全に不審者ですwwそして帰宅してから読み返す♪♪本当に尊敬してます☆ (2015年2月26日 15時) (レス) id: 81939e753e (このIDを非表示/違反報告)
植尾あい(プロフ) - キスマイさん» ハイハイ♪いらっしゃーい(笑)自分でももどかしくなりながら書いてます。でも、皆さんにキュンしてもらえて頑張れます！仕事バラしはねぇ……ｳﾌﾌ…お楽しみに♪いつでもお喋りしに来て下さいね♪お待ちしてまーす。 (2015年2月26日 8時) (レス) id: dd156b7728 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：植尾あい
| 作成日時：2015年1月19日 8時
