真っ黒なもの ページ19
入学してから一ヶ月。引っ越しをしてから一ヶ月半。
気を張っていたのがたたったのだろうか、体調を崩してしまった。
学校では上履きが無くなるわ、ジャージも無くなるわ。誰かに恨まれる覚えがないので、犯人は分かる訳ない。
文句があるなら直接言えっての。
自室の天井を見上げながら、部活はどうなってるのかな、と心配ではなく、ただ何気無しに考えた。
ふいに、枕元にある携帯が着信を知らせる。
画面を見れば、自分の頬が緩むのが分かった。
幼馴染みは偉大だ。
*
side 園崎
今日は後輩である小谷 Aがいないらしい。
____やった。
それを聞いたとき、喜びが湧き上がった。
気に入らないんだよね、あの子。
いっつも真顔で、何考えてるかわからないし。そのくせして先輩達には構われている。
この前は嫌がらせで、わざと仕事をさぼるように仕向けた。
返ってきたのは謝罪。
バッカじゃないの?
普通、文句とか言うでしょ?
前のマネージャーはこれくらいで簡単に辞めてくれたのに。
他に物を隠したりしたけど、効果は無し。
____さっさと辞めればいいのに。
排水口に流れていく水とは裏腹に、どす黒い感情は溜まっていく一方だった。
及「小谷ちゃんてさー、一見地味だけど存在感あるよね」
体育館の中から聞こえた話に、ピクリと肩が動く。
松「わかるわ」
岩「そうか?」
花「応援してる時とか、こうビシッ! って真っ直ぐ立ってるんだぞ」
「「「……」」」
花「なんだよ!」
岩「よく見てんな」
及「デジャブ……」
松「それもわかる。まぁ、いないと寂しいところがあるかも」
本当、早くあの子いなくならないかな。
及「園崎ちゃんもいるし、そうでもないんじゃない?」
会話が途切れたタイミングで、体育館の扉を開ける。
園「遅れてすみません!」
小走りで入っていくと、部員の人達は「大丈夫か?」「一人で大変だな」と気遣ってくれた。
そう、これよ。
ここには私だけでいいの。
あの子は、いらない。
私の居場所なんだから。
だからもう、手加減せずに
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水上灯 - とちゅうでアジさんとかイシダイさんとか言ったのマジくそワロタwwwwww (2022年8月27日 13時) (レス) id: 278a10c8d3 (このIDを非表示/違反報告)
はむ - すごく読みやすくて面白いです!完結してしまうと思うと寂しいですが完成を楽しみに待っております!無理のないよう更新頑張ってください!応援しています!! (2020年5月28日 1時) (レス) id: 655f827a56 (このIDを非表示/違反報告)
木乃伊(プロフ) - とっっても面白いです!更新頑張って下さい!! (2020年5月27日 16時) (レス) id: 8b1d0909e8 (このIDを非表示/違反報告)
bu-ko(プロフ) - アッッッ好きィ……………応援してます…! (2020年5月27日 2時) (レス) id: 11f43cf002 (このIDを非表示/違反報告)
ハル - コミカルで面白いし、夢主ちゃんのちゃんとしたかわいさもあるところほんとに最高です!!応援しています! (2020年5月27日 0時) (レス) id: f0b62f3d9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藍原 | 作成日時:2018年4月14日 20時