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満員電車に揺られ、私は元彼と呼ぶのも忌まわしいあいつへの怒りをふつふつと湧きあがらせながら、鼻息も荒く会社へ向かっていた。
今日はあいつに会ったら文句の一つも言ってやらねばならない。
だって、今朝ジント君は私の分の朝食だけキッチンに並べてくれていて、自分は食欲がないからいいって言って、ソファーでうずくまっていたのだもの。
彼をあんな風にしたのは一体誰のせいだと思っているのだ(私のせいだけど)。
その文句を、絶対にあいつに言ってやる。
そう思って、私の足は会社へ一目散に動いていた。
柔太朗「おーい、A！」
そして、会社の入り口をくぐろうと思ったまさにその時、私は聞き覚えのある声に引きとめられた。
この声は…。
「何よ、気安く呼ばないでよ！」
柔太朗「……。えらくご機嫌斜めだね…」
「あ、当り前でしょ？！もう日本には戻れないって言っときながら、たった1年で戻ってきてるじゃない！それにそっちから別れようなんて言ってきたくせに、そんな仲よさそうな感じで声かけないでくれる？！」
柔太朗「…そのことなんだけど、明日、仕事終わったら時間ある？二人で、ゆっくり話したいことがあるんだ。大事な話」
怒る私とは対象に、彼は真剣な表情で私を見つめていた。
その表情に、不覚にもドキッとしてしまう私。
何にこんなに怒っていたのか、もうわからなくなってしまっている。
駄目だ、やっぱりこんな顔されたら、私…。
この表情に、私は何度籠絡されてきたことか…。
柔太朗「19時に、俺たちが初めて食事したレストラン予約してあるから」
そう言って、彼は私の頭をやさしくなでて、行ってしまった。
そんなことを平気でするなんて…
ずるい…
ずるすぎるよ…
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milkssss(プロフ) - ひぃさん» コメントありがとうございます！最後までお付き合いいただけると、嬉しいです！ (2020年2月25日 21時) (
レス) id: 81ca320fbb (このIDを非表示/違反報告)
ひぃ(プロフ) - 続き楽しみにしてます！ (2020年2月25日 2時) (レス) id: f0de405ab0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：milkssss | 作成日時：2020年2月19日 15時
