愛と合図【M!LK】 ① (ページ9)

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佐野先生「え？！彼を引き取りたい？」

唐突な私の提案に、佐野医師は心底驚いていた。
まぁ、そりゃそうだろうな…。

「はい。彼の記憶が戻るまででいいんです。それって可能なんですかね…？」

佐野先生「いやぁ…。どうでしょう？あまり聞いたことがないケースではありますが…」

「そ、そうですよね…」

佐野先生「養子にとるという年齢でもありませんし、身寄りがあるのかないのか、今のところ不明のままでそういうことをするのは…」

「うーん…」

佐野先生「でも、まぁ、可能かどうかはわかりませんが、彼本人があなたを後見人として指名するなら、可能性はあるかもしれませんが…」

「後見人、ですか…？」

後見人、簡単に説明するならば、それは自分の判断能力が著しく低下した際、代わりに判断してくれる代理人のような存在だ。
彼は未成年なのか、成人なのかもわからない上、自分の身分を証明できるものを何も持っておらず、自分に関する全ての記憶やその他もろもろの記憶を失っているため、判断能力に難ありと認められ、その上で私を後見人に指名してくれれば、記憶が戻るまでの間に限り、施設や病院の管理下のもとで私が引き取ることができるかもしれない、ということだった。

中々、面倒くさいなこれは…。

でも、そうも言ってられない。
もし、私が引き取ることができるなら、なんだってやってやるわよ！

あれ？私、なんでこんなに頑張ってるの…？

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