第十二話 ニコラス・フラメル ページ15
「ねえ、それ。本当？」
「間違いないよ！ハーマイオニーとAも見たんだ！」
クィディッチの試合が終わった後、僕達は優勝の騒ぎから抜け出してハグリッドの小屋にいた。
｢ハリーの箒に呪いをかけてた。しかも、目も離さずにね｣
｢バカな。スネイプがハリーの箒に魔法なんか……｣
スネイプ先生のことをロンが疑っていると言っても、ハグリッドはきっぱりと否定し続ける。ここまで否定されると、何か裏があるのではないか。
痺れを切らして、ハリーが三頭犬のことについて話した。
「何故、フラッフィーを知ってる？」
「フラッフィー？」
ハグリッドが口にした名を復唱すれば、しまった、という顔でハグリッドは口を押えた。
「俺の犬だ。去年パブであったアイルランド人から買った。ダンブルドアに貸して学校の……おっと、いけねぇ。これ以上聞かんでくれ」
「でも、ハグリッド。フラッフィーが守ってるものをスネイプが狙ってるんだよ？」
狙っている、と聞いた途端、ハグリッドは怪訝な顔をして、スネイプ先生はホグワーツの教師だぞと言い返し否定する。
「先生だろうと何だろうと、呪文をかけてれば一目でわかるわ。本で読んだもの。目を逸らしちゃいけないの。スネイプは瞬きもしなかったわ！」
「いいか、よく聞け四人とも。関わっちゃいかん事に首をつっこんどる。危険だ。あの犬が守っている物に関われるのは、ダンブルドアとニコラス・フラメルだけだ」
そこまで言うつもりはなかったのだろうが、ハグリッドはうっかり口を滑らせてしまった。
それにしても、ニコラス・フラメル、か。
……学校は、何かを隠している。
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作者名：空天 馬
| 作成日時：2016年6月11日 1時
