二十話 ページ20
「A」
ああ、こんなことは久し振りだ。
夢を夢だと知覚出来る夢。
以前、この夢を見たときは、そう、高祖母が、シオンが出てきたのだった。
「A」
ハッキリと脳内に響いてくる声に、私は頑なに目を開かなかった
芳しい薔薇の香り
胸の奥から暖かくなるような声
絶対的なその気配
目の前に誰がいるのか?
目を開かずとも明白だった。
「A、愛しい我が娘よ」
つっ、と、きっと氷よりも冷たい指先が頬を撫でれば、蕩けてしまいそうな痺れが背筋に走る。
後はその姿を
あの美しい瞳を、髪を、優しい眼差しと愛を。
目を開いてこの目で確認するのみだ。
それが出来れば私は¨父さん¨の存在を、この場所に認めることが、出来る。
「さぁ、その瞳を見せておくれ
¨シオンと同じ¨その美しい瞳を」
ああ、そうか。
父さん、貴方は――――――――
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金剛石 - 続き気になると思ったらめっちゃ前の作品かーい^_^ (9月14日 11時) (レス) @page26 id: 97d79e1a3f (このIDを非表示/違反報告)
無益(プロフ) - 続きみたいと思ってきたら7年前の作品かーい^^ (7月24日 23時) (レス) @page26 id: 21d8a5b4ec (このIDを非表示/違反報告)
じゃがりこの虜(プロフ) - 続き見たいと思ったら数年も前の作品かーい^_^ (2022年6月20日 21時) (レス) @page26 id: 9b1b149eae (このIDを非表示/違反報告)
??(プロフ) - 更新の希望あるかなってコメント見にきたら6年前の作品かーい^_^ (2022年6月5日 22時) (レス) @page26 id: 81e883109e (このIDを非表示/違反報告)
れい - 更新待ってます!! (2021年8月4日 23時) (レス) id: 231e6087c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:東雲出雲 x他3人 | 作成日時:2016年5月6日 22時