35th. ページ37
梓 side
彼女は瞳を閉じ眠りに就いた。
あまりにも静かに眠るから、良からぬ事が頭を掠める.
そっと触れればトクン トクンと音をたてていた。
「早くドナーが見付かると良いね。」
部屋をあとに家族のリビングに行くとご両親が揃っていた。
「梓君、Aは眠ったかな?」
「はい。
あの、お聞きしたいのですが、
Aを海に連れていっても良いですか?」
お母さんがお茶を淹れてくれ、三人でテーブルを囲んだ。
「まぁ♪彼氏と海なんて素敵ね」
「そうだね。連れていってあげたことがなかったからな。
斎藤先生には確認を取っておくよ。」
「…ありがとうございます。
何か…ありましたか?」
無理に明るいと言うか、ふと寂しそうな顔をする二人。
「出来たら早めに連れていってください。
出会ったばかりの梓君に重荷ばかり背をわせてすまない...
ここに来て病気の進行が早まってきているんだ。
次に発作が起きたら、もう家には戻れない..と」
目の前が真っ暗になった。
彼女はあんなに笑って、受験に対しても前向きに頑張っている。
「薬増えたんだよね」
「最近息が苦しくなる時がある..
喉の風邪かな?」
以前話していた...
愛しく思うばかりで見逃していたのか...
どうして彼女なんだ...
誰よりも一生懸命なのに....
残りの時間に僕は何をしてあげれるのか。
伝う涙など気にもせず、彼女のことばかり考えていた.
.
127人がお気に入り
「アニメ」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はまま(プロフ) - か、かんどー( ;∀;)切ないけど何度も読み返したくなります!更新楽しみにしてます! (2015年9月20日 9時) (レス) id: c859c165e0 (このIDを非表示/違反報告)
帝ナギ - モカさん続き楽しみにしてます! (2015年9月18日 18時) (レス) id: 136af5a260 (このIDを非表示/違反報告)
帝ナギ - 続き読んだーよー。更新がんばってね(^ ^) (2015年9月17日 22時) (レス) id: 136af5a260 (このIDを非表示/違反報告)
モカ(プロフ) - yuki07さん» コメントありがとうございます!続きを書くときも、想像しながら切なくなっていました。更新頑張りますね(^^) (2015年9月16日 19時) (レス) id: ff7fb625e4 (このIDを非表示/違反報告)
yuki07(プロフ) - 凄く良い小説ですね!切ない…涙がっ!(;_;)主人公ちゃんに生きてほしい!更新頑張って下さい! (2015年9月16日 12時) (携帯から) (レス) id: fc92cb2af6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:モカ | 作成日時:2015年9月9日 11時