咲けぬ華のまま

31th. ページ33

梅雨が明け、ギラギラと輝きを増した太陽に照らされていた。




｢室内でも熱中症にならないように気を付けてね｣



斎藤先生が往診に来ていた。



進学を目指す私は志望校を決めて、
勉強を始めていた。

高校までの範囲は終わってしまったから、
受験１本に絞り勉強に励んでいた。




｢頑張れ、受験生｣






受験を決めてから斎藤先生に報告に行った。



｢人生は何事も挑戦だよ｣



そう言ってもらえ更に勉強に対するやる気が出ていた。






｢くっ...せん、せ....｣




｢Aちゃん！｣






私の行く道を暗く染め行くこの心臓＿＿＿







｢…先生…。


まだ、…まだっ…死にたく、ないよ…｣




｢大丈夫。大丈夫だから。
僕もいる、梓君だっているんだ｣





｢アズ、サ....｣





優しく笑うアズサを思い浮かべた。




貴方の優しさに救われ続けている。




これからも貴方の側にいたいから、


私はまだ…まだ死にたくない…



違うね。





…生きていたい。






｢もし、もしドナーさんが見つかったら、


…そのときはよろしくお願いします。｣





少し前だったらこんなことを言えなかったし、
望まなかった。




こんなに生きたいと思ったのは、

初めてで。






落ち着いた私は将来の為にまた勉強を再開した。





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