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22th. ページ24

梓 side



家族が帰った後の静まり返った室内。


もうすぐ退院になる。そう主治医から告げられた。



心残りは……






トントンと扉をノックする音に「どうぞ」と声をかけた。
医師か看護師かと思ったら、見知らぬ背筋の伸びた男性。





「初めまして。君がアズサ君かな。

藤村 Aの父です。」




「Aちゃんの!?

朝日奈 梓です。」







「突然すみません。

Aから貴方の話を聞きました。
あんなに嬉しそうに話すAを見たのは久しぶりでした。」




ベッドから起き上がり姿勢をただし、向かい合った。




「Aは貴方に恋をしているようです。

父親からこんなこと言われても困りますよね…

今の病状から娘は余命半年です…もし、もし貴方にその気があるのなら…
娘の側に居てくれませんか?

…こちら側の勝手な願いなので無理にとは言えません」



泣きながら頭を下げるお父さん。
きっとこんなことで、頭を下げるほど…

最後の想い出を作ってあげたいだ...。





「僕は彼女が死ぬとは思いません。

きっとドナーが見つかり、普通の生活を送れます。


だから諦めないで下さい。


それと僕も娘さんに、恋をしています。


お父さんからの側に居て良いと許可が貰えるとは思ってもいませんでした。」




ありがとうと呟いた声は僕の胸を締め付けた。



置いていかれる者の気持ち...か。







君は僕を置いて行ってしまうの…?



.





.

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はまま(プロフ) - か、かんどー( ;∀;)切ないけど何度も読み返したくなります!更新楽しみにしてます! (2015年9月20日 9時) (レス) id: c859c165e0 (このIDを非表示/違反報告)
帝ナギ - モカさん続き楽しみにしてます! (2015年9月18日 18時) (レス) id: 136af5a260 (このIDを非表示/違反報告)
帝ナギ - 続き読んだーよー。更新がんばってね(^ ^) (2015年9月17日 22時) (レス) id: 136af5a260 (このIDを非表示/違反報告)
モカ(プロフ) - yuki07さん» コメントありがとうございます!続きを書くときも、想像しながら切なくなっていました。更新頑張りますね(^^) (2015年9月16日 19時) (レス) id: ff7fb625e4 (このIDを非表示/違反報告)
yuki07(プロフ) - 凄く良い小説ですね!切ない…涙がっ!(;_;)主人公ちゃんに生きてほしい!更新頑張って下さい! (2015年9月16日 12時) (携帯から) (レス) id: fc92cb2af6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:モカ | 作成日時:2015年9月9日 11時

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