9th. ページ11
A side
アズサ…
鈍感な私のなかに生まれたこの感情はなんだろう。
検査の結果、まだ絶対安静の箝口令は敷かれているらしい。
ずーっと我慢してきたよ、運動も、甘いものも。
私だって炭酸飲料とかシュークリームとか食べてみたい…
そんな私が今更走るわけないじゃん。
移動が車イスになってしまった私は、中庭に行くのも誰かの手を借りなければいけない…
自ら下した両親以外の面会謝絶に誰も来てはくれない。
隣の部屋を覗くもアズサはもういない。
「もう行っちゃったかな?」
仕方なく、ゆっくりと車イスを動かすもナースステーションの前を通らなきゃいけないから見付かってしまう...
「先生に言われたばかりでしょ?今日くらいはお部屋でゆっくりしていたら?」
「でも約束があるから、ちょっとだけ中庭に行きたいの...」
悩んだあげく5分だけよ、と中庭に連れていって貰えた。
「アズサ!」
名を呼べばこちらを見て、微笑む貴方。
「今日は車椅子なの?」
「絶対安静だって。だからほら、看護師さんが連れてきてくれた。」
「本当だ。僕が責任を持って部屋に連れて帰りますよ。」
アズサの声にお願いね、看護師さんが帰っていく。
「病人なのに車椅子押してくれるの?」
「今日のAちゃんほどじゃないよ。
僕も中に戻るから、部屋に帰ろう?」
せっかく会えたのに...
もうお別れか。
「隣同士だし、僕の部屋に来る?」
貴方はエスパーですか?
ゆっくりと車椅子を押してもらい、二人で部屋に行くのだった。
127人がお気に入り
「アニメ」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はまま(プロフ) - か、かんどー( ;∀;)切ないけど何度も読み返したくなります!更新楽しみにしてます! (2015年9月20日 9時) (レス) id: c859c165e0 (このIDを非表示/違反報告)
帝ナギ - モカさん続き楽しみにしてます! (2015年9月18日 18時) (レス) id: 136af5a260 (このIDを非表示/違反報告)
帝ナギ - 続き読んだーよー。更新がんばってね(^ ^) (2015年9月17日 22時) (レス) id: 136af5a260 (このIDを非表示/違反報告)
モカ(プロフ) - yuki07さん» コメントありがとうございます!続きを書くときも、想像しながら切なくなっていました。更新頑張りますね(^^) (2015年9月16日 19時) (レス) id: ff7fb625e4 (このIDを非表示/違反報告)
yuki07(プロフ) - 凄く良い小説ですね!切ない…涙がっ!(;_;)主人公ちゃんに生きてほしい!更新頑張って下さい! (2015年9月16日 12時) (携帯から) (レス) id: fc92cb2af6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:モカ | 作成日時:2015年9月9日 11時