今日:4 hit、昨日:0 hit、合計:876 hit
小|中|大
12/10 *夜 ページ4
彼は変わった。
あの頃の優しかった彼は、もういない。
私の好きな彼はいない。
幻想のように、泡のように溶けて消えてしまった。
私は何もしてあげられなかった。
私が何もしてあげられなかった。
もう、十二時ね。
最近は特に遅く帰ってくる。
さっきは、ああとは言ったけど、やっぱり好きなの。
彼が私の全て。
私は彼なしでは生きていけない。
私は依存してしまったのね。
彼は、どこ?
私は探す。泣きながら。
『どこ? どこにいるの?』
愛しているわ、貴方のこと。
『いやよ、冗談はやめて頂戴。出て来て?』
狂ってしまうほどに。
『私はあなたが全てなの。あなたも、私が全て、でしょ?』
ああ
『ああ』
あなたは
『いない』
どこにも
『いない』
私は
『ひとり』
寂しい夜を
『暗い夜を』
――私はひとり寂しい夜を過ごすのだろうか
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ