【おそ松さん】よろしくおあがり、要らない子。2巻

すべてのはじまりは ページ1

松野A。


彼女は希少な家族構成の渦中に生まれた、松野家の長女。



甘えることが大好きで、人思いな人望の厚いひと。


その性格のまま大人になっていたら、さぞ立派な人となっていたことだろう。




しかし、彼女は変わってしまった。






彼女には兄が6人居る。



しかも、それぞれが年子というわけではない。


誰もががめつくて血気盛んだが、優しい良い子たちだった。


だがしかし、本当は横暴で我侭な男の子でもあった。


なのに良い子と言われるのはなぜか。

良い子だった彼女が変わってしまったのは何故か。




それは、『要られる』立場にあった。



彼らは物語に欠かせない大切なパーツであった。

だから、必然と『必要』とされていた。



だが、残念ながら彼女が居なくなったところで、物語自体に影響は現れなかった。


だから、あまり『必要』という概念が彼女に対して備えられていなかったのだ。





だが、その物語はもう終わった。



溝が埋まったその時に、モラトリアムは終了していたのだ。



それが誰のモラトリアムで、なんの為のモラトリアムだったかは、語り手であるこの私にしか分からないことであった。



しかし、今となってはもうどうだっていいことなのだろう。





特別に、教えてあげる。

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