43.「お金持ちの家の方が良いもん。」 ページ2
ついに、知られてしまった。
僕の本音を、本当の気持ちを。
Aは震えていた。
目一杯に目を見開いて、小さな体を絞り上げて声を捻り出して外へと行ってしまった。
「……おい、一松。」
おそ松兄さんが僕を呼んだ。
いつものあのおどけた声ではなくて、地獄の底から引き上げたかのような低い声。
「言っていいことといけないことがあるよ、一松。おそ松兄さんも一旦落ち着いて。」
チョロ松兄さんもおそ松兄さんを押さえつけながらも僕を諭した。
『真っ先におそ松兄さんの提案に乗った癖に。』
「なっ…！！…確かにそうだけど、今の僕には罪悪感があって、謝ろうとしているところなんだよ。」
違う。
謝るにはもう、遅い。
そう思ってるからこそ、僕はみんなの中で唯一素直になれなかった。
『謝るには遅すぎる』
べらべらと余計なことばかりをいう猫。鬱陶しい。
心はいつまでたっても子供だ。
謝った方がいいに決まっているのは確かだ。
だけれど、未だに僕は何もできずにいた。
『なにもできないんだ。謝りたいけれど。』
「………、うるさいなあ！！みんな居なくなればいい！お前みたいな猫も、Aも、みんな！！！」
僕が口調をきつくしてそう言えば、面を食らったように猫は外へと逃げていった。
「……一松兄さん、もう、」
十四松が声を震えさせて僕の名を呼んだ。
今にも泣きそうな声だ。昔、よくこの声で僕の名前を叫んでた記憶がある。
「……、一松くん。そんな悲しいこと言っちゃ駄目ダス。」
ふと、デカパン博士が僕に優しく声をかけてきた。
デカパン博士はもの哀しそうな顔をして、Aの淹れたお茶を見つめていた。
「あの子に、その言葉は禁句ダス。……みんなに必要とされないと、あの子は」
本当に、どこかへ行ってしまうんだよ。
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紫垣(プロフ) - 続きが待ち遠しい！！……もっと見つけるのが早かったらまだ更新続いてたのかな（ ; ; ） (4月18日 5時) (
レス) @page21 id: f62f374630 (このIDを非表示/違反報告)
燎_＊(プロフ) - 更新停止……だと！？！？！？誰か、！！この作者を呼び戻してこい！！！ (1月17日 3時) (レス) @page21 id: 4b8e8fd2cd (このIDを非表示/違反報告)
低浮上な塩なんだなあ(プロフ) - つ、続きは…続きは何処ですか…!?!?(血涙)更新をずっと楽しみに待っております…… (10月30日 2時) (レス) @page21 id: 6cf2860157 (このIDを非表示/違反報告)
みゆ - この作品が大好きです。更新待ってます！ (6月4日 22時) (レス) @page21 id: 395eb4f5e7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆらっち(プロフ) - 何年でも更新を待ちます。 (2022年5月15日 0時) (レス) @page21 id: ab3ad11547 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：竹ノ狐。 | 作成日時：2016年1月17日 17時
