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26.「正義のヒーロー」 ページ28

「……うわっ?!お、お、お…!?」


真後ろに、赤いパーカー。


正義のヒーローが好む、そんな色。




赤色の似合う兄が、私を見つめていた。

いつからいたのだろうか、全く気がつかなかった。


「ははは、おそ松でーす。……で、なにやってんの?そんな陰気臭いところでさ。……Aまで暗い性格になっちゃうよ?どっかの誰かみたいに。」


相手がおそ松だってことくらいすぐにわかるのに、おそ松は自分の名前を述べた。

そうして、何をしていたのかを聞いてきた。

少しの嫌味を混ぜて。



「……別に、おそ松には関係な……。……、道具箱持ってたりしない?探してんだけど」



私がそう聞くとおそ松は気怠そうに目を細めてこちらを凝視してきた。

おそ松でもこんな顔するんだなあ、と考えながら私は続けた。



「……ねぇ、持ってんの?持ってないの?黙られたらこっちが困るんだけど」



「……あ、ああ。……道具箱、ね。……さっきトド松が部屋に持ち込んでたけ、……持ち込んでたよ?取って、こようか?」


ぎこちない笑顔で微笑まれ、こちらも少しぎくしゃくする。


そんなに私と話すのに抵抗を感じているのだろうか?

いや、それはわたしも同じだから考えないことにしよう。



「あー、…部屋に誰か居るなら取ってきてくれる?」


「はぁーい。…あっ…。…そこ動くなよー、すぐ取ってきてやるから!」



そうしておそ松は慌ただしく、すぐそこにある階段を駆け上がっていき襖を勢いよく開けたであろう音がした。


中にトド松が居たのか、「兄さんどうしたの?!」という声も聞こえる。

「ちょっとそれ貸して」という声と共に道具箱の中にある道具がガチャガチャと騒ぎ立てる音が聞こえる。


そうしてまた慌ただしく階段を駆け下り、だいぶ息を乱しておそ松が帰ってきた。



相当急いだのか、髪の毛がボサボサだ。



「……は、は、…。これ、使いたい奴ちゃんと入ってる?入ってなかったらもう一回兄ちゃんに言ってな、すぐ用意してやるから!」


息も絶え絶えといった様子で私にそう言うおそ松は、どことなくいつもと違う雰囲気を纏っているような、そんな気がした。


「あ、うん。……ありがと、おそ松。」


私はおそ松の横を通り過ぎ、部屋へと戻った。



「……、ねぇ兄さん、何してんの?」


「……別に何も。」


「いや絶対違うでしょ?!何でおそ松兄さんの服着てるの?!









一松兄さん、なんでおそ松兄さんのふりなんかしたの?」

27.「やっぱり同じ六つ子さ」→←25.「お疲れ様です」



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kuu - これいちいち歌の歌詞になってますね、 (2022年1月1日 12時) (レス) @page38 id: f964c54957 (このIDを非表示/違反報告)
kuu - 面白いです、これからシリアスだったり恋愛がある、が楽しみです (2022年1月1日 10時) (レス) @page1 id: f964c54957 (このIDを非表示/違反報告)
あみ - 最高すぎます (2020年9月24日 2時) (レス) id: e43e7b87c6 (このIDを非表示/違反報告)
偶数LOVE!(心々) - なるべく早く更新してくださいっ……!……お願いです………………本当に楽しみすぎるのですよっ!! (2019年9月7日 18時) (レス) id: 01d7da7a06 (このIDを非表示/違反報告)
偶数LOVE!(心々) - なんでこんなに文才があるのですか??これは絶対ず〜っと!過去最高1位ですねっ!!(納得です♪)どんな小説の中でも1番好きですっ!(本当に) 星なんかいも押したいけど、前も押したからムリだ……… (2019年9月7日 18時) (レス) id: 01d7da7a06 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:竹ノ狐。 | 作成日時:2015年11月26日 1時

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