□73.Question ページ35
***
あずさ｢…探したんですよ？｣
｢……私に…なにか……｣
あずさ｢心当たりはありませんか？｣
.
そう問いかける彼女の表情は、
笑顔なのに、目の奥は全く笑っていなくて、
全身が凍るような、そんな殺気を感じた。
.
あずさ｢これを見ても、分かりませんか？｣
｢…な…なんですか、これ、｣
あずさ｢開けてみてください。｣
.
そう言って彼女に渡されたのは、
1冊のファイルだった。
.
私は1度買い物袋を下に置き、
震える指先でファイルを1ページ捲った。
…すると、そこにあったのは…、
.
あずさ｢そこに写っているのは、あなたで間違いないですよね？｣
｢……っ……、｣
あずさ｢一緒に写っている男性とは、どういうご関係ですか？｣
｢……あ………あ…の…、｣
あずさ｢お答えください。｣
.
ファイルに入っていたのは、写真だった。
いったいどれくらい前から撮られていたのか分からない。
直輝が私の手を掴んでいるものや、
買い物袋を手に並んで歩いているもの、
つい先日、一緒に外食した時のものまで。
.
｢……な…、なんで…こんな写真…｣
あずさ｢今質問しているのは私です。お答えください。
……彼とは、どういう関係ですか。｣
.
.
……………だから、そんなの私が聞きたいよ…、
喉の奥が、ズキズキと痛む。
さっきまで有頂天だったのに、一瞬で急転直下だ。
***
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 997人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紙兎
| 作成日時：2020年2月14日 23時
