親近感 ページ3
「私に関わらないで」
そう放ったこいつの言葉にババアは一瞬表情を強ばらせるが直ぐに元に戻る。
「…そうかい、なら話は早い。こっちとしても無駄に関わるつもりは無いんだ。山でも海でもどこへでも行っちまいな！」
と冷たくあしらった。
「いくらなんでもそれは…」
ドグラが流石に哀れだと思ったのか言い返すが背を向けているババアから表情は読み取れない。
数秒間の沈黙の後
「…二階に毛布と部屋が余ってんだ、そこで寝るくらいならすればいいんじゃないかい。こっちからは関わるつもりもねえんだし」
「おいそこ俺の部屋だろうが！」
「元よりおめーの部屋じゃねえよ！そこしかないんだから仕方ねえだろ！」
とゲンコツしてくるあたりババアもコイツを放っておけないみたいだ。
チッ…俺に害がないなら関係なかったがこいつは今日から俺のルームメイトになるらしい。
やっかいなモンをひろってくんじゃねえよジジイ…。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
今思えば、俺はこいつに親近感を覚えていたのだろうと思う。
ボロボロの体、濁った目、関わらないでほしいと言う声。
何もかもが似ているようで違うこいつに…同族嫌悪とでも言うのだろうか、あの頃の俺は苛立っていた。
「なぁ、お前何があったんだよその身体」
「…」
「ジジイとは何処で会ったんだ」
「…」
「何歳だ」
「…」
「…おい、何か喋ったらどうなんだよ！」
ババアに部屋に押し込まれてもなお体育座りをしたまま顔を隠し、身体を震わせるだけのこいつにとうとう声を荒らげてしまう。
「私には…関わっちゃいけないから」
静かに、でもハッキリと発するその声に
『俺は生まれてきてよかったのか』
俺の記憶が重なった気がした。
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Keiko03090407(プロフ) - 続き気になる(っ ॑꒳ ॑c)ﾜｸﾜｸ (2022年11月3日 1時) (
レス) @page42 id: 0dc3919b36 (このIDを非表示/違反報告)
ベーコン?(プロフ) - この作品めちゃくちゃ好きです…！！続きめっちゃ気になります！！ (2022年8月18日 13時) (レス) id: 45dc28a220 (このIDを非表示/違反報告)
お猫 - 好きすぎるぅ！ (2022年8月18日 12時) (レス) @page42 id: 34150a8be7 (このIDを非表示/違反報告)
air(プロフ) - あくもんさん» とても嬉しいコメントありがとうございます…！あくもん様の応援に応えられるように頑張りますね…！ψ(。。) (2022年8月13日 18時) (レス) id: 3c653399f3 (このIDを非表示/違反報告)
あくもん(プロフ) - この作品めっちゃ好きです！続きが気になる………！！無理しないでこれからも更新頑張ってください！楽しみに待ってます！！ (2022年8月12日 23時) (レス) @page41 id: cfb31e7c1d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：air | 作成日時：2022年7月14日 20時
