第三話 囚われたお姫様 ページ4
冷ややかな能面を思い出させるような冷笑的な薄笑いを浮かべた端正な顔つきをした男に私は牢屋に閉じ込められていた。
「やぁ、A。元気かい？」
「ひ、ひぃっ！」
お姫様だったAは端正な顔つきの男には何も言い返せなかった。
「そんなに怯えないでくれよ。君を取って食うわけじゃないんだ。ただ――君の魔力が欲しいだけだ！」
「くっ！」
人を食い物にする事しか考えていないこの男に私は睨みつける。
「まぁ、フワフワと甘い美味しいお菓子を食べて育った可愛い天使と妖精のハーフのように可憐な美しい無恥でか弱いモズな君だったら魔力だけじゃなくてもいいけど」
「っ……！？」
「でもまぁ、主役は俺じゃないんだ。君の踏み台である王国を倒して、君を奪い去ったのはこのライトニング王国なんだから！」
そう彼が言うと後ろの方からデブが現れ、私は後ずさりする。
「そ、そう。キミを奪った本人」
「――あなたは」
「ライトニング国第二王子さ！」
「王子っ！？あなたが！？」
「き、きみが僕の延命装置なんだねぇ」
「延命――装置？」
「そ、そうだよぉ。僕はぁ短命でぇキミのぉ魔力がないと死んじゃうんだ。だから、君の宇宙より広い膨大な魔力が必要なんだ。だから――」
許せない。コイツもアイツも許せない。何でもかんでも人の命を簡単に踏みにじるなんて事許されない。私の民草ならまだしも私自身を踏みにじるなんてそんな事は絶対に何があっても許されるはずがない。
私がそう思い王子を睨みつけた時だった。
「お、お待ち下さい！」
隣の牢から声が上がった。メイド――雑役女中――だった。
「A姫は我々の国にとって一番重要なお方でございます！」
「ほぉっ」
「なので私共の命を先にお使いください！」
「どうしますか。王子」
「ま、まぁ、人体実験も必要だから連れてきたんだ。その役目を自ら名乗り出るなんて偉いぞぉ」
王子は満足そうに頷き満足そうにお腹を摩る。
「じゃあ、お前から人体実験してやろう」
メイドをびしりと太った指で突き付ける。
「それでいいな？ A」
にやりと私に問いかけ、私はそれに頷いた。国民は王族の為にあるのだから何も間違ってはいない。例え目の前で人が死のうとも王家の誇りだけは忘れてはいけないのだから。
だからAは抵抗も逃げ出すこともせず、ただ、頷いた。
時には従うのも必要なことだ――。
第四話 生贄たちを眺めるお姫様 Ｒ１５→←第二話 追いかけられちゃった！ Ｒ１５
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アラーネア(プロフ) - 魔導師の「し」は士ですよー！それと、グロいところの表現が面白かったです！！頑張ってください！！ (2018年10月29日 21時) (
レス) id: 7bda2fd29b (このIDを非表示/違反報告)
やす いのう み そ(プロフ) - ヴィーナさん» 間違えていました！報告ありがとうございますっ！ (2018年9月9日 17時) (レス) id: 07a41a3320 (このIDを非表示/違反報告)
ヴィーナ - 竜滅魔道士と滅竜魔道士は何が違うんですか？ (2018年9月9日 15時) (レス) id: 9534f8c68f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：やすいのうみそ＋ほ | 作成日時：2018年9月6日 11時
