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第四話 ページ6

「この霧を吸うんじゃないよ。手前の根性に自信のない奴ぁマスク付けな」

「へへっ、相変わらずおっかねぇな、ザイナブ。オメェの赤い霧はよ」

(あれは、魔法アイテム?何故そんなものを彼らが・・・)

手近な物に二人は身を潜め、霧の団一行が通り過ぎるを待っていた。兵士たちは気を失っている。
聞いてもいないが情報を喋ってくれるのはありがたかった。

「魔法武器『赤幻霧刀(セキゲンムトウ)』。発生する赤い霧を吸い込んだ人間の不安や期待を
 あおり、その幻を見せる」

「フン・・・しかしあたしの霧は、心を冷静に強く保つ奴には幻を見せないんだ。
 毎回ひっかかるなんざ国軍の兵共はとんだふぬけ共だ」

(なーるほど。おかしいと思ったんだ、ただのテロリストが何故そこまで力をつけたのか。
 でもどうしてそんな物を手に入れることができたんだ?)

「姫、あれを」

「ん?」

考え込んでいるうちに、屋敷まで奴らは到着していた。見ると男が剣だけを使って
壁に穴を開けている。あれも魔法アイテムらしい。

「はー、魔法アイテムのオンパレードだね」

「ふざけてる場合じゃないですよ。どうします?」

「そんなこと言われたってなあ・・・別に彼らを捕らえる義務もないし」

そこまで言った時、見覚えのある武器が地面に突き刺さった。

「!?」

「なんだ、国軍か!?」


「いいえ、この国のものではありませんが・・・わけあって、捕らえさせてもらいます」


月を背に、武器を構える人影と声に覚えがあった。思わず隠れていた場所から飛び出して叫ぶ。

「ジャーファル!?なんでバルバットに!?」

「・・・っ、A!?それにファイ!どうしてここに!?」

「それはこっちのセリフだ!」

「どうしてジャーファルさんが・・・」

三人を怪訝そうに見ていた霧の団だったが、すぐに気を取り直して言った。

「なんだてめえら。邪魔するなら容赦しねえぞ!」

「待ちな、こいつらただ者じゃないよ。カシムの本隊を待つんだ」

ザイナブがそう言った途端に、黒い霧が湧いて出る。それはぐるりとジャーファルを囲んだ。
怪訝に思う間もなく、その霧がありえぬ重量を持ってのしかかった。

「魔法武器『黒縛霧刀(コクバクムトウ)』!!」

「!?」

「っ、ジャーファル!」

慌てて駆け寄ろうとすると、こちらにも霧が襲いかかってきた。咄嗟にファイと反対側に
飛び退きかわす。そのまま霧の奥を睨みつけた。


「これは、さすがに戦わない訳にはいかないな」

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作品ジャンル:アニメ
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(プロフ) - 面白いです! (2015年5月3日 10時) (レス) id: 152395002b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:セツナ | 作成日時:2013年4月6日 23時

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