■110.不意をつく一撃 ページ30
***
Naoki Side
静寂を破ったのはあずさだった。
あずさ｢……これ以上直輝を苦しめるようなことはやめて……？
この卑怯者…！…私はあなたになんて絶対に負けない！｣
＿＿＿＿＿＿＿＿ﾊﾞﾝｯ……っ、
.
あずさが泣きながら訴えかけていると、
コアラ男は彼女に向かってあっさりと発砲した。
.
｢……っ…！！！｣
リコ｢うそ……｣
その様子に、Aもリコも唖然としている。
.
“勝手に喋るなよ〜…、本当に…、馬鹿な女だ”
｢…ひどい……どうしてっ……！！！｣
.
.
“……じゃあ次は、残ったこの女かお前自身、
どちらをやるか選べ”
.
.
直輝｢……………A、｣
｢………！｣
俺がAの名前を呼ぶと、男たちは俺の拘束を解いた。
そしてコアラ男は、
俺が自分自身を守ったと思い
“はっはっはっはっは！！”と心底楽しそうに笑った。
Aは自分が撃たれると思ってぎゅっと強く目を瞑っている。
.
.
直輝｢この間はひどいこと言ってごめんね。｣
｢………っ…？｣
直輝｢…リコ、Aを頼んだ。｣
リコ｢了解。｣
.
リコにAを託し、
俺は一瞬の隙をついて周りにいた男達を蹴り飛ばす。
一対三だろうと、
両手両足が使えるこの状況ならなんの不足もない。
次々と相手を片付けていく。
.
リコ｢はい…、紐、切れたからもう大丈夫。｣
｢…えっ…あ、｣
リコ｢危ないからあんたはちょっと離れてて。｣
.
その間にリコがAの縄を解いてくれたらしい。
そしてリコはAから離れて、
本命のコアラ男に向かって飛び蹴りを喰らわせた。
***
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作者名：紙兎
| 作成日時：2020年3月16日 7時
