■111.君がいる奇跡 ページ31
***
“…クソっっ…！！邪魔しやがって…！！”
｢…きゃ…っ…！｣
リコに飛び蹴りされたコアラ男が、
最後の力を振り絞り、部屋の端にいたAをはがいぜめにした。
.
直輝｢……………………彼女に触るな…。｣
“う"っっ……！”
それを見てﾌﾟﾂﾝと何かが切れた俺は、
今日1番の力でコアラ男を殴り飛ばした。
するとさすがに動けなくなったようで、その場に蹲るコアラ男。
.
.
直輝｢…………A…、もう大丈夫だよ。｣
｢………なおき…っ…〜…ｯ…｣
直輝｢遅くなってごめんね…、｣
小さく震える彼女をぎゅぅ…っと強く抱きしめる。
彼女の頬や顎にはいくつか擦り傷があり、
手首には強く結ばれた紐が擦れたような痕もあった。
＿＿＿＿＿＿＿ああ…、でも良かった、生きてる。
泣いているAを腕の中に閉じ込めながら、
彼女が生きているということを実感してホっとする。
.
リコ｢…おいコアラ、顔を見せろ！｣
“…っ！”
直輝｢お前…、佐島一郎…！｣
リコが強引にマスクを引っ張ると、
コアラ男の正体は佐島の秘書であり息子の
佐島一郎だった。
.
“…そうだよっ！俺がコアラ男の正体だ！！
全部俺がやったんだ！
…っはぁ、はぁ、お前の親父も、俺がやったんだ…！”
.
マスクを取った瞬間にパニックになりだした佐島一郎は、
自らの頭に銃口をつけた。
…こいつ、自滅する気か
.
直輝｢…やめろ！！｣
.
腕の中にいるAが、その様子を見てまた震えている。
俺はAを少しでも安心させたくて、
彼女の耳を両手で塞ぎ、ぎゅっと更に強く抱きしめた。
***
□112.手で触れればきっと消えてしまう→←■110.不意をつく一撃
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1247人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紙兎
| 作成日時：2020年3月16日 7時
