コイゴコロ ｰ after story ｰ

誕生日 ページ26

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また長い長い勤務が始まってしまう




　




初めは宏光が迎えにこないから
時間も長く感じたけど





　






ポッケに入れたメモ用紙を時々見て




お祝いしてくれる、ってこと
考えたら仕事でさえもはかどってしまうのは









　




　




やっぱり宏光に早く会いたいから








　




　




お誕生おめでとう、って

直接言ってもらいたいから






　





朝しなかった分のちゅーも


沢山してもらいたかったから









　






ケーキを一緒に仲良くあの時のように

食べたかったから








　






　


　





　






「.... 嘘つき」









部屋で1人ポツリと呟いた






　







もう何時間待っただろうか

もうすぐ時計の針は0時を回ろうとしていた








　
　









「.... 誕生日終わっちゃう」






　





　









仕事だから仕方ない、

何度自分に言い聞かせても









苦しかった









　






　






余韻に浸りたくて

朝書いてくれたメモ用紙をもう一度読み直すと









　








何故かポツリと涙が流れた






　









誰も拭ってくれる人はいないのに


いい歳して何泣いてんだって思うけど







もう既にメモ用紙は滲んでいた









　




　









「... 定時で上がれると思う、って

　書いてあるじゃない」









　




　




　







宏光の仕事が急遽入ってしまうことは
理解してるつもりだった






　





　








それでも、誕生日くらいは
一緒に過ごせると思った





　






でも、


そんな私の考えは理想に過ぎなかった






　






　








　






.... カチカチ


遂に時計の針は0時を回った









　





　



　




　







「... Aお誕生おめでとう」








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