コイゴコロ ｰ after story ｰ

バタバタな朝 ページ3

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のっそりと支度をする宏光だから
いつもスーツとカバンの準備は私がして









時刻は 7時30分









「食器台所置いといてよ！」




「へいよ ー 」









宏光より一足先に家を出る









「行ってらっしゃい」









こんなの普通はやらないんだろうけど

ちゅ、って行ってらっしゃいの合図


毎朝してくれるの








それのお陰で毎日の仕事が頑張れる気がして









「いってきます」






そうやっていつも返す









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ガチャ、とノブに手をかけて家を出ようとすると

何故か腕を引っ張られて









「.... ちょっとまって」









そう言った宏光はその腕を自分の方に引き寄せて
ぎゅっと抱き締めた









「宏光、どうしたの？」








「.... 最近こうしてなかったから、」









珍しくそんな風に言うから

朝から心臓がバクバクで仕事に行くのも忘れそうになる









「... ん、また帰ってから」









迫る時間が私たちを引き離す









「行ってくるね」









ちょっとだけ名残惜しいけど
1度引っ付いたら離れなくなっちゃうような


高校生の時の自由な時間は今はなくて






私も宏光もどこか大人になりすぎてる、

気がする









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