83、怪我 ページ41
「くっ…」
私はしゃがんでいる女の子の方へ向き直った。
「大丈夫…？」
？「う、うん…っ」
「よかった…」
？「おねえさん…ケガしてる…」
「…早く逃げて…ここから遠くへ」
？「で、でも…おねえさんが…」
「私は大丈夫。あなたはみんなのいる中央塔へ走るの」
？「…でも、ひとりじゃ、こわいよぉ」
私は女の子の頭を撫でた。
「今から私たちはお互いひとりになる。だけどおねえさんはあなたが中央塔に行けると信じてる。だから、あなたも私を信じて…」
我ながら、信じてなんて馬鹿らしいと思った。
あれだけ信じることを怖がっていた過去の私はどこへ行ったのだろうか。
矛盾だ。
？「おねえさん…わたしたち、殺されちゃうの…？」
「そんなこと…」
？「わたし、にげてきたの…っ…おともだちおいてきちゃったの…」
「え…」
？「みんなあのへんな人たちにころされちゃった…わたし、みんなをおいて…ふえぇ…」
私は思わず女の子を抱きしめた。
「うん…こわかったよね…そうだよね」
？「うぇぇ…もう…にげられないよ…」
ザザッと言う音が聞こえる。
仮面の大人が立ち上がろうとしているようだ。
どうにかして、この子をこの場から遠ざけなければ。
私が女の子と一緒に中央塔に行くこともできるが、仮面の大人が追ってきた時、真っ先に中央塔の人達を危険に晒してしまう。
やはりこの場で私が足止めする方が、良い策だろう。
かといって、彼女があっさりこの場から動いてくれるとは思えない。
彼女には、なにか目的が必要だ。
何か、この場から彼女を遠ざける理由はないのか…。
このままじゃ二人とも殺されてしまう。
ああ、こんな人生は予想してなかったよ。
死ぬ前にオウニに一言ありがとうって伝えたかったな。
死ぬ前に…。
「あ…」
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姫乃(プロフ) - 鈴さん、ありがとうございます！そんなー！嬉しいです！読んでくださるだけでもありがたいのに、面白いだなんて、楽しみだなんて！！中間考査中にも更新出来たらしますね！ (2018年5月10日 0時) (
レス) id: 9a7901e607 (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - すごく面白いです！！いつも楽しみにさせてもらってます。更新頑張ってください！応援してます！ (2018年5月9日 22時) (レス) id: 8f94786c83 (このIDを非表示/違反報告)
姫乃(プロフ) - ああ！！��(ﾟДﾟ)ありがとうございます！忘れていました！！！ (2018年4月15日 16時) (レス) id: 12f13cd074 (このIDを非表示/違反報告)
はら - オリジナルフラグ外して下さいねー (2018年4月15日 16時) (レス) id: c7490cab95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：姫乃 | 作成日時：2018年4月15日 16時
