80、こんな世界はどうでもいい ページ38
何本か路地を抜けて、色んな所を見て回った。
だけど、体内モグラのみんなはいない。
「手分けして探す？」
オウニ「今、1人になるのは危険だ」
「そうだね…だけど、みんながどうなってるかも分からないよ…」
オウニ「…」
そのあと、またいくつかの迷路のような路地を進んでいた時。
狭い路地を抜けた少し先で…。
オウニが立ち尽くしていた。
「オウニ？」
私はオウニの後ろに駆け寄り、オウニの見ている方へ視線を移した。
その時、目にした光景に目を疑った。
「え…」
頭を殴られたような重たい衝撃が走る。
「ブキ…？」
喉に槍を受けて、壁に貼り付けられたままのブキがいた。
体内モグラのみんなは、怯えたような顔で私たちの名前を呼んだ。
私は痺れる脚をふらふらと進め、ブキのところへ歩む。
ニビたちが槍を抜くと、ブキの身体は力もなく崩れた。
「ねぇ…ねぇ、ブキ…っ！」
いくら揺すっても反応はない。
「アイジロ…っ」
私は倒れているもう一人の仲間の元へ這った。
開いたままのアイジロの瞳。
そこに生気の色は無かった。
「アイジロっ…アイジロ！いやぁああ！」
血だらけになった仲間。
彼らの首から今も流れ出る血を腰紐で押さえる。
流れないで、死なないで。
大切な『体内モグラ』が崩れていく。
オウニ「こんなもんかよ…」
「うぅ…ブキ…アイジロ…っ」
オウニ「俺やこいつらが憧れてた外の世界は、顔の見えない連中が、簡単に俺たちの夢を踏みにじる」
オウニ「そんな世界だったのかよ」
オウニは私の後ろからアイジロに寄り、目を閉じさせた。
「あぁあ…っ」
腰紐を押さえていた両手で、溢れる涙を受け止めた。
キチャが私を彼女の胸にそっと寄せた。
私より一回り身体の小さいキチャに肩を抱かれて、泣いた。
キチャも小さく嗚咽を漏らしていた。
キチャのその行動が、もう二人が手の施しようもないことを察しているようで、涙が止まらなかった。
オウニ「もういい…」
オウニ｢こんな世界は、もう…どうでもいいっ！！｣
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姫乃(プロフ) - 鈴さん、ありがとうございます！そんなー！嬉しいです！読んでくださるだけでもありがたいのに、面白いだなんて、楽しみだなんて！！中間考査中にも更新出来たらしますね！ (2018年5月10日 0時) (
レス) id: 9a7901e607 (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - すごく面白いです！！いつも楽しみにさせてもらってます。更新頑張ってください！応援してます！ (2018年5月9日 22時) (レス) id: 8f94786c83 (このIDを非表示/違反報告)
姫乃(プロフ) - ああ！！��(ﾟДﾟ)ありがとうございます！忘れていました！！！ (2018年4月15日 16時) (レス) id: 12f13cd074 (このIDを非表示/違反報告)
はら - オリジナルフラグ外して下さいねー (2018年4月15日 16時) (レス) id: c7490cab95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：姫乃 | 作成日時：2018年4月15日 16時
