60、廃墟 ページ18
チャクロ「あの島だよ。そこの丘の辺りに舟を停められる」
チャクロは島の右方を指差して言う。
オウニはそれに従い、島に舟を近づけた。
島に飛び乗り、舟を陸につける。
しかし、舟と陸との間にはまだ隙間があった。
オウニ「A」
オウニは私に手を差し出す。
「あ…うん」
私は立ち上がり、それに手を乗せると、オウニはすくい上げるように、陸へと誘導する。
「ありがとう」
オウニ「ああ」
オウニはチャクロたちには手を貸さなかった。
「チャクロ、来られる？」
チャクロ「うん」
チャクロが島に飛び乗ると、女の子はそのあとに続き、島へ軽々と飛び乗った。
「すごい…」
建造物が沢山あるのだが、泥クジラのものよりも、もっと頑丈な気がする。
外の世界はこんな感じなのか…？
でも、その割には誰もいる気配がない。
オウニ「これが…外の人間が住んでいた島…？」
オウニがウイジゴケちゃんを光らせながら言う。
オウニ「ただの廃墟じゃないか」
「……」
そう。
建物はあっても、ここに世界はない。
何もないのと同じ。
オウニ「…どういうことだ、こんなボロ船がお前らの世界だってのかよ」
オウニは苛立ちを含んだ声でそう吐き、女の子の胸ぐらを乱暴に掴む。
チャクロ「オウニ、やめろ…！」
？「はきゅ！」
チャクロは二人の間に入ろうとしたが、オウニはすぐに女の子を離した。
オウニだって、本気でこの女の子に当たってるんじゃないことは、私には分かった。
リコス「あなたたちは、本当になにも知らないのね」
「…」
そう、何も知らない。
私たちには何もない。
自分たちの世界以外、なにも。
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姫乃(プロフ) - 鈴さん、ありがとうございます！そんなー！嬉しいです！読んでくださるだけでもありがたいのに、面白いだなんて、楽しみだなんて！！中間考査中にも更新出来たらしますね！ (2018年5月10日 0時) (
レス) id: 9a7901e607 (このIDを非表示/違反報告)
鈴(プロフ) - すごく面白いです！！いつも楽しみにさせてもらってます。更新頑張ってください！応援してます！ (2018年5月9日 22時) (レス) id: 8f94786c83 (このIDを非表示/違反報告)
姫乃(プロフ) - ああ！！��(ﾟДﾟ)ありがとうございます！忘れていました！！！ (2018年4月15日 16時) (レス) id: 12f13cd074 (このIDを非表示/違反報告)
はら - オリジナルフラグ外して下さいねー (2018年4月15日 16時) (レス) id: c7490cab95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：姫乃 | 作成日時：2018年4月15日 16時
