1回目ー1 ページ2
マイクのハウリングの音。ざわめく客たちが静まり返ってステージを注目する。
「さぁさぁ皆様お待たせ致しました！！これより、オークションを開催致します！！」
わざとらしい程にまで鳴り響くドラムの音。客たちは歓声を上げた。
因みにここは違法オークション、詰まるところお偉いさん方が金にものを言わせて欲望を満たす裏の世界というところ。
見て欲しい、あの笑みを。ここにいる人間はどいつもこいつもあの汚い笑みを浮かべている。
そして、私もこの中の誰かに買われる。
この首輪に操作の念能力さえなければとっくに下を噛みちぎっていたところだというのに、用意周到なのは流石としかいいようがない。
……あ、どうやら滅多にお目にかかれないというガブリエルの瞳が30億でせり落とされたようだ。
はて、30億とはどのくらいなのだろうか。
子供のお小遣いをどのくらい貯めたら良いのだろう。正直金銭や計算などの勉強は一切してこなかった私にはよく分からない。せいぜい叩き込まれたのは礼儀作法と楽器や歌。
両親の死を目前にして目覚めた私の念。
あの時は本当に死ぬかと思った、オーラが垂れ流しで体の力がどんどん消えていく恐怖。
私をここに送り込んだ商人が念というものを私に教え、私の才能に気づかなければそこら辺で死んでいたはずの人生。
無力な子供とはそんなものだ。恨むことは無い、むしろ感謝さえしているのかもしれない。私はこれからも生きることはできるのだから。
私の念にはそれだけの価値があると、あの商人は教えてくれたから。
「おい、408番そろそろだ」
もうそんな時間か……案外落ち着いてるな、私。
檻を出て首輪に繋がれた鎖を引っ張られながらステージにと向かう。
暗闇に慣れた目にはスポットライトは火のように熱かった。
「皆様！！お待ちかねの今日目玉商品！！
その黄金の髪と真珠のような瞳はまるで肖像画の女神、それもそのはず彼女は神の力を持つ正真正銘の女神なのです！！」
どよめきと歓声、視線が私を突き刺す釘となる。
私がここから動くことは出来ない。
「25億！！」
「25億7000だ！」
「30」
「31！！」
次々に値段が上がっていく、今日のオークションでは私の次に先程のガブリエルの瞳、あとは諸々といった感じだろうか。
別に今日は世界から注目を集めるあのヨークシンシティのオークションでもないのに皆さんよく頑張るなぁ。
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薄桃桜(プロフ) - A’さん» そんな……私にはもったいない言葉です。でもこうして誰かに読んで頂けて、感想を貰えて、とても嬉しく思います。これからも私が伝えたい事を少しでも表現出来るよう日々精進していきます！本当に優しいお言葉、ありがとうございました。 (2022年8月2日 8時) (
レス) id: d27f44688d (このIDを非表示/違反報告)
A’(プロフ) - なにこれ．．．最高すぎます！！東リべみたいでなんかカッコイイです！！それから、薄桃桜さん自身は｢文才がない｣なんて言うけど、私はそうは思いません。とても分かりやすくてセンスのある表現をされています。尊敬します。�兇諒�も引き続き頑張ってください！！ (2022年8月1日 2時) (レス) @page29 id: 931e8514a8 (このIDを非表示/違反報告)
薄桃桜(プロフ) - にゃるす。さん» そう言って貰えるだけでとても嬉しいです！少し遅めの更新になるかもしれませんが、頑張ります！ (2022年7月25日 6時) (レス) id: d27f44688d (このIDを非表示/違反報告)
にゃるす。 - この作品大好きです！！主人公と旅団やゾルディック家やクラピカ達との絡みが最高です！！更新頑張ってください！応援しています！ (2022年7月24日 18時) (レス) @page41 id: e39ed7afb5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：薄桃桜 | 作成日時：2022年7月19日 11時
