深海のヒヤシンス【影山飛雄】 (ページ6)

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私は今まで殆ど病院から出たことが無い。

そして、髪を切るなら病院の中の散髪屋で簡単に済ませていた。

だから私は知らない。

「いらっしゃいませー
今日はどのようになさいますか？」

『あ、肩に着くぐらいでお願いします』

なんだここ！！？？シャララ～ンみたいな効果音着くぞ！？しかも匂い！！部屋からも人からもいい匂いがする！！お姉さんめっちゃ美人だし服着こなしてるし、レベルが高すぎるぞこれは！！

もう一度言おう

私は美容室なんて初めてだよ！！！

さっきから話しかけてくれるけど

『あ、えっと…』ってどもるわ！！

4分後

『えっマジっすか！お姉さん子供いるんですか！？』

「いやー、中学2年と小6のヤンチャでして」

『ひえっ、全然見えない！！まだ成人したてにしか見
えない』

「あらヤダ嬉しっ！」

すっかり身の話をする程仲良くなれた。
すんごいお姉さん可愛いの。

髪フワッフワでいい匂いするし、手が綺麗だし。

「それにしても丁度いい猫っ毛ですねー
触り心地が凄くいい！！」

『んー、朝起きた時の爆発具合は凄いですよ？
湿気とかもう宿敵ですわ』

「えっ、雨の日はいつもより大変？」

『鳥の巣』

「oh......」

すると、お姉さんが気を利かせてくれたのか特別サービスでトリートメントをしてくれた。

えっ、髪のふわふわは残しつつサラサだと！！？？

もちろんこれは

『買います』

「まいどー」

お姉さんとは凄く仲良くなれた気がする。
また来よう。

ルンルン気分スキップをしながら店を出た。

『どわっ』

「い゛っ！」

思いっきり衝突した上に相手の足を踏んづけてしまいました。

違うんです。

わざとじゃないんです。

『』

「っ～！！痛ったーー！」

目の前で蹲る人。

あぁなんということでしょう。

イケメンやんけ。あ、殺される私。

『本当にすみません、わざとじゃないんです
殺さないでくださいお金ないんで頑張って
働いて作るんで許してください許してください許し
てください許してください許してください』

「えっ……あ、うん！？わわわ分かったから頭
上げよう！？こんな道端で土下座はやめよう！？」

『ほんと何でもするんで、命だけは』

「命乞いしなくていいから！！！頼むから
頭上げて！！！」

道端で土下座する女子高生と慌てるイケメン男子高校生、被害者はどっち_____?