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ノロノロと病院食を食べていると、点滴を外してくれた白衣の天使が尋ねてきた。


「そういえば、また初恋の夢見てたの?
ニヤニヤしながらずっと名前呟いてた」

『なんだろう、女子として大事な物が崩れていく気が
する。』

「今更〜」

『刺さる!!何気に刺さるよその言葉!!』



なんでこの病院の人は私に対してこんなに当たりが強いんだよッッッ(全て日頃の行いのせい)



「初恋ねぇー私もう忘れちゃったわ」

『えっ、そうなんですか?』

「そりゃそうよ!もう10何年前の話だし。
うっすら覚えているけど、なんで好きになったと
か、名前とか殆ど覚えてないかな」

『ふーん』


大人になるとそんなもんなのかな



「Aちゃんはちゃんと覚えてるんだっけ」

『もっちろん!!!あの子が笑った時のえくぼ、
あの子がバレーボールの話をしている時の表情、
ちゃーーんと覚えています!!出会ったのは
小二の頃!!今年で片想い8年ですし!!おす
し!』

「おおお……一途…
8年は凄いわね……お姉さんもビックリ」


『ま、これからは普通に暮らせるわけだし、
てか実質退院だし!!学校で青春しながらあの子の
事探しますよ』

味の薄いデザートも食べ終わったところで、薬を飲んで、歯磨き着替えを済ませる。





「8年の片想いかぁ……」

『え?何か言いました?』

「……いや!!何でもない、私は応援してるわよ〜」

『え〜なんか照れちゃう…あれ、今の私女子っぽ
い???』

「貴方はれっきとした女の子でしょうが!!その子と
会えるといいわね」

『はい!!でも、多分大丈夫です。だって









飛雄はきっと約束を守ってくれるから!』






「…そうね」


『そんじゃ!!スクールライフの意気込みとして
髪をぶった切ってきます!!』


「はーい、寄り道しないで帰って来るのよ?」


『はいさー!!』









そうして私は久しぶりに外に出た。




とりあえず長くなった髪を切るために予約をした美容院までバスで向かう。









バスに揺られる中、目の前に座る女子高生を見て、私も来週からわあんな風に……!!!と、ぐふぐふしてたのは切実に忘れて欲しい。

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ゆん(プロフ) - めちゃくちゃおもしろかったです🎵続きが気になります! (2022年4月8日 9時) (レス) id: d0dd043faf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:薄桃桜 | 作成日時:2021年1月17日 16時

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