深海のヒヤシンス【影山飛雄】 (ページ21)

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｢まぁ、あれは影山が殆ど悪いから気にすんな！
分かる、分かるぞ。あの影山の生意気な態度と
いったら…｣

『先輩もご苦労さまです』

「けど、1年に影山よりタチ悪いやつ居るから
覚悟しといた方いいな！！」

『マジすか…』

あの影山よりタチ悪いだと……なんなの、烏野排球部地獄なの、そうなの。

「そういえばお前、マネになんのか！？」

『あっ、はい！改めてマネとして本入部する
古部Aです。よろしくお願いします！』

「おぉおぉぉおお！！！女マネ2人！！」

2人？

そういえば、清水さんて人がいるんだっけ……先輩だよね、どんな人だろ。

「まぁあれだ、これからなんかあった時は俺の事
頼れよ！なんたって俺は先輩だからなぁ！！
影山になんか言われたら俺が殴ってやるからな！」

なんやこの兄貴感。馬鹿とか脳筋とか思っててごめんなさい。目つき悪いハゲとか思っててごめんなさい。

『か、か、カッコイイ……田中先輩！！！』

「ハッハッハっ！！もっと呼べ！！」

『田中パイセンかっこいい！！よっ、日本一！！』

「そうかそうかぁ！！俺は日本一の田中先輩だぞ！」

はたして日本一の田中先輩とは。

そんな時

「ごめん、通してくれる？

………あれ、貴方もしかして……」

『…………ﾋｪｯ…』

後ろからなんとも鈴を転がしたような、可憐な声がしたと思ったら……想像を遥かに飛び越えた美女がいた。

「あっ、潔子さんおはようございます！！！」

「うん、おはよう………で、貴方もしかしてマネ
希望の……」

『はっはい！古部Aですっ(裏声
今日から本入部することになりましたっ！』

すると、ガラス玉のような目を少し大きく見開いて、次の瞬間私の両手をがしりと掴んだ。

一体何が起こったのか、あれ、地球滅亡すんじゃね？？なんか今日で一生の幸運使い切った気がする。

「そう…！私は3年の清水潔子。宜しくね古部さ
ん。私凄く嬉しいよ、本当にありがとう！
じゃあ、私先準備してるからジャージに着替えた
ら来てね」

『分かりました……！』

なんかお花撒き散らしながら体育館に入って行く姿を見届けた。