真夏 ページ20
夏の真っ最中、いつ聞いても耳障りな蝉の鳴き声が八方から響いている。額には汗が吹き出しコンクリートに垂さがる。
『わあ…着いた』
「いらっしゃい、Aちゃん」
『お久しぶりです』
目の前にある家の玄関で待つのは研磨の母親だった。彼女ははるばる遠くから来た私達を温かく迎えてくれた。荷物を持って研磨の部屋に案内される、彼の部屋は散らかっている様子はなく昔と変わらない、そう感じるものが多かった。
「さて、研磨もお年頃だからね〜如何わしい物があるかもしれないなぁ…」
まずはベッドの下、クローゼットの中、机の引き出し隠せそうな物全ての場所を確認する。そして最後の引き出しを開けた時、白い紙が入っていた。メモ帳を破り2つ折りにされた紙、しっかりと宛名を記載されていた。
Aと。
その紙を広げると『森然高校』そう一言書かれていた。彼らしい伝え方でクスリと笑いが出る。
行けってことだよね
階段を駆け下りて、リビングで久しぶりの会話を楽しむ母。そんな2人の空気を読まずにドアを勢い良き開け、叫んだ。
『お母さん!!森然高校ってどこ!!』
「は、え、なに急に」
『研磨のところ行きたいんだけど場所がわかんなくて』
「確か…森然高校なら埼玉にある学校だから、電車で行けばいいんじゃない?」
「Aちゃん、これ研磨達に持って行ってあげて」
そう行って差し出されたのは研磨ママ特製のはちみつレモン。甘酸っぱい匂いが香り口の中に唾液がじんわりと出てくる。
うう美味しそう…だめだ。これは研磨達の分だ
『ありがとうございます、じゃあ行ってきます』
差し入れの入った袋と小さなバッグにスマホと財布を入れ外に飛び出した。スマホに電車案内のアプリを開いて行き方を調べる、そこまで遠くはない。
A今からそっち行く
研磨わかった、気をつけて
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ちゅこ(プロフ) - あまねさん» コメントありがとうございます。大変お待たせ致しました…全力で頑張らせて頂きます!! (2021年9月30日 22時) (レス) id: a23258a94d (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 待ってなんでこの神作に早く出会わなかったの?私バカなの?((((喧しいわ (2021年9月1日 23時) (レス) id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゅこ | 作成日時:2020年12月13日 19時