練習試合 ページ11
『来ちゃったなあ』
体育館の扉の前に立つ。その扉が今は大きく感じる、私にはよくあるゲームのダンジョンにいるみたいだった。
重い扉を開くとボールが弾む音や足を滑らす音が体育館中に響いている。さらにその上を見るとギャラリーには人が沢山、それは稲荷崎の応援している生徒だけでなく多分だけれど相手校のバレー部員もいる。
これが練習試合かぁ…。
「あ、風蝶さん」
『角名君!練習試合って…凄いね』
「そうかな?」
『うん、凄いよ。あ…はいこれ』
そう言って渡したのはスポーツドリンクと塩分補給用のタブレット。まぁ、ジャグとかあると思うしいらないか。だからスポドリは小さめで余計だと思うが部員分を買ってきた
「あれ、Aやんか!なに、観にきてくれたん?」
『そうだよ、侑君もこれ。頑張ってね』
「おお!ほんまおおきに」
角名君と同じように彼にも差し入れを渡さそうと手を伸ばした。けれどそれは届くことはなかった。
「A…ギャラリーこっちだから案内するよ」
『え、いや角名君。一応私も稲荷崎の生徒なんだけど』
「どうせ体育以外で使ってないでしょ?」
『なにそれ嫌味?』
「いいから」角名君は私の手を取り、体育館のステージへ連れていく。ステージの裏に入ればギャラリーへの階段がある。それぐらい私でもわかるのに…。
けれど彼は私の手を強く握り、離してくれない。
『案内、ありがとう。これ皆に渡しといてね』
「侑君にもだよ?」と釘を刺すと「分かってるよ」なんていい加減な返事を返した。やっぱり仲良くないのかななんて考えが過ぎった。
ギャラリーに入るとまあ黄色い声援が耳に響いてくる。うちわまで作ってる…めちゃくちゃガチ勢じゃん。
「ほらあの子…角名君とめちゃ仲良い子や」
「あぁ、あの子なんや。最近侑君とも仲ええよな」
あれ…これは
彼女らの視線が痛い。
けど、視線を感じるだけで何もしてこない。だから大丈夫だと思う…?
『あ…始まる』
ピーッという笛の音がギャラリーにいる全員が一気に下に注目する。これが始まりの合図か、
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ちゅこ(プロフ) - あまねさん» コメントありがとうございます。大変お待たせ致しました…全力で頑張らせて頂きます!! (2021年9月30日 22時) (レス) id: a23258a94d (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 待ってなんでこの神作に早く出会わなかったの?私バカなの?((((喧しいわ (2021年9月1日 23時) (レス) id: 1a6dd63888 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゅこ | 作成日時:2020年12月13日 19時