忍術学園の六年生には、女子がいる１１

攻防作戦開始の段２ ページ13

乱太郎「どうしよう…このままじゃ…」


庄左衛門「今は、あれこれ考える前に此処から逃げる事に集中しよう。」


伊助「しっ、誰か来る！」


直ぐに近くの草むらに身を屈めた一年は組は、隙間から足音がする方へと目を向ける


現れたのは、まるで餌を探す獣の様な顔をした大柄の男数人、そして手には攻撃されたら唯では済まないであろう、武器が握られていた

恐怖で声が漏れそうになるが、口を押さえて必死に姿が見えなくなるのを待った


団蔵(人数関係無しに、体格に差がありすぎる！)


きり丸(お願いだ！早く通り過ぎてくれ！)


「誰も居ないようだな。」


「次は、彼方へ向かってみましょう。」


ぞろぞろとした足音が段々と耳から消えていくと、一年は組は、安堵の溜息を吐き、互いの顔を見合わせる


全員、力が抜けたように座り込み、胸を撫で下ろしていた


しんべえ「何とか助かったね。」


喜三太「本当、息が止まるかと思ったよ。」


乱太郎「でも…また、こんな事が起こるかも知れないし、急いで山を降りよう。」


しかし、裏裏山の乱太郎達が居る地点から山を降りるとしたら、時間と体力が必要となる


敵から逃げようとして、計画無しに彼方此方に動いたせいで、此処が何処なのかもはっきり把握もしていない


兵太夫「状況としては、最悪だね…」


三治郎「こんな大勢じゃ、途中で絶対にバレちゃうよ！」



一方の、五年生と六年生はAの耳を頼りに裏裏山を探索していた

耳に神経を集中させて、森の中の音に耳を澄ませるAだが、一つの場所で足を止める


『見つけた。』


七松「どっち？」


『先に手を打つ方！』


刀をスルリと引き抜き、大きな影へと飛びかかり、首元を切れば、血が飛び散る


それを合図にしたかの様に、他の五年生、六年生も狙っていた敵に飛び掛かり、攻撃をしていった


立花「面倒なものは先に片付けるべきだな！」


久々知「有利になる方がいいですもんね！」



あっという間に敵を片付けた五、六年生はまだ息が在る物に声を掛けた


潮江「そんで、もう他は居ないのか？」


「…ない…」


不破「そうなら、後は一年は組の救出ですね。」


そう言った途端、何処からか少し甲高い叫び声が聞こえて来た


声変わりをしておらず、遥かに幼い声に嫌な予感が巡ってくる


『今の声、乱太郎達に間違いない！』


竹谷「でも、敵は他に居ない筈です！」


食満「違う！あれだ！」

指差した先の崖には小さな少年達の姿があった

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