裏まで見えない,の段8 ページ27
顔を離した咲目は、先程とは打って変わって,優しい笑みを少女に見せる
咲目「わかった.ありがとう。Aさん、大人しくしててね。」
優しい声色ながらも、威圧を含んだ言い方にAは咲目を睨み付けるが、気付かぬまま、牢屋を離れてしまった
ようやく、咲目が居なくなり、圧迫感が無くなったようにも感じるが、目の前の虚な目をした少女が気になって仕方ない
まるで、自分を助けてくれたかの様に、タイミング良く現れてくれた少女にAは、声を掛けた
『あの、ありがとうございます。おかげで、助かりました.』
「…別に、タイミングが良かっただけ。」
それだけ言って、Aから顔を背けてしまったが、愛里は口を閉じなかった
少女の近くに寄り、いくつ?や好きな食べ物は?と他愛のないことを聞くAだが、少女は何も反応しない
しかし,Aが少女の服を見て、素敵だね、と言うと少女の目が少し見開いた
『生地も綺麗だし、色も鮮やか…丹精を込めて作ったのが分かるよ。』
「これは…私が家族と作ったものよ。もう,作ることは無いと思うけど…」
そっと、目を伏せる少女にAが首を横に振った
不思議な顔をした少女が、Aと目を合わせると,Aは優しく微笑み,懐から入れ物と,二つのサイコロを取り出した
『貴方は,帰れるよ。でも,貴方がどうしたいかは,自由だからね。』
「博打と何の関係があるの?」
『そうだね…貴方が当てたら、貴方の意思に任せる。しかし,間違えたら、皆んなで此処を出よう。』
真剣な顔で見つめてくるAに、一瞬だけ少女の虚な瞳に光が戻ったかのようだった
しかし,悪魔の様なあの男から逃げるのは,至難の技だ
少女は、自分と同い年くらいのAに出来るのか、不安がっている
『…不安そうな顔をしてるね。大丈夫、私は忍びですから。』
そう言って、Aは入れ物の中にサイコロを入れ,無造作に振り回す
丁度良い時間となったところで、Aは手を止めた
この運命の決断で、未来は左右するかも知れないのだ、互いに真剣な顔で勝負に挑む
「…半で。」
『…正解は,丁。』
間違えたと言うのに,少女は何処か、安堵の表情を浮かべていた
実は,Aは此処まで計算の上だったのだ
そして,次の計算としては、遂に突撃と言ったところ
『決まりだね。それじゃ、始めようか。反撃を!』
そう言った瞬間、壁を突き破り,色とりどりの服を着た少年達が現れた
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B.A.D.寄りの6年ろ組推し - めっちゃ面白いです!続き出してほしいです!どうかお願いします🙇♀️更新よろしくお願いしますー!! (2021年11月15日 23時) (レス) @page35 id: 544b7ce66d (このIDを非表示/違反報告)
airi01012005(プロフ) - 唯さん» リクエストありがとうございます!了解しました! (2020年4月23日 2時) (レス) id: d9e2a8c011 (このIDを非表示/違反報告)
唯(プロフ) - airi01012005さん» 今晩わ、リクエストです!生物委員会全員に幻術を掛け(下級生は弱め竹谷と夢主は超強め)助けに来た5年生と6年生に襲い掛かるお話をお願いします。別件で「忍術学園5年生には木下鉄丸の娘がいます」を書いてますのでもしよければ読んでください。 (2020年4月22日 22時) (レス) id: 238aca14d7 (このIDを非表示/違反報告)
airi01012005(プロフ) - 唯さん» リクエストありがとうございます!了解しました! (2020年4月7日 12時) (レス) id: d9e2a8c011 (このIDを非表示/違反報告)
唯(プロフ) - (続き)起きるにはその妖怪を探しだして倒してからという感じでお願いします。 (2020年4月7日 12時) (レス) id: 238aca14d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:airi0101 | 作成日時:2019年11月9日 23時