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6話。 ページ6

「皆遅いね〜。」

皆を待っているが、一向に姿を現わす気配がない。

「あの、沙織ちゃん。この距離はなに…?」

同じベンチに座っているが、
十四松と私の距離は一メートル位の隙間があった。


「ご、ごめん。ちょっとね…。」


何だか十四松を見ていると、
あの頃や、さっきのことを思い出しちゃうの。

何ていくら仲が良くても、彼奴らの兄弟である
十四松には、口が裂けても言えない。

いや、言いたくない。

迷惑をかけたく無いんだと、一心で。


「ねえ、沙織ちゃん…。」
「な、何…?」


気まずい中、十四松が話しかけてきた。


「どんな事があっても、
君に味方がいる事は忘れないで。」
「え。どうしたの?いきなり。」

理解が出来ない中、私は、
ふとその言葉を聞いたことのあるような気がした。



『沙織ちゃん。
何があってもくじけちゃ駄目。

どんな事があっても、
君に味方がいる事は忘れないで!』

『十四松…。ありがと。』

薄っすらと映ったあの時の風景。



「ううん。忘れたならいいんだ…!」

いや、そんな顔しないで…。
貴方は、いつもの笑顔でいてよ。

私は、大きく息を吸った。


「私、自分の味方がいると信じてみたい。」
「!!」

動揺が隠しきれてない十四松に、
私は微笑みながら答えた。


「親友との大切な約束を忘れるわけ無いよ!」



『じゃあ約束しよう?「信じる」って。』
『うん、分かった。約束だから!』


そう。全てが全て、大切な約束。
そのおかげで、今私はここに立っている。

やっぱり、感謝しきれないよ。
私は心の奥深くで、そう思った。

一層、皆と、十四松との仲が縮まった気がした。



そして、話は1コマ目に戻るわけで。


「いや〜!皆遅いね、沙織ちゃん!」
「だね〜…。何処かで道草くってんのかな?」


未だに、私達は三人の戻りを待っていた。

嫌な瞬間は、時と場所も関係ない。
そして、その瞬間はゾッとするもので。






「ほら〜この子だよ。可愛いと思わない?」
「そう言って、遠回しに自慢するなよ!」

「とても可愛いな。流石、カラ松ガールだ。」
「うるさいんだけど。」
「アウチッ!何故足を踏んだんだ!?」


複数の足音が正面から近づいてくる。

嫌だ、嫌だ。
私は先程みたく強く耳を塞ぎこんだ。


「はあっはぁ…。」

またもや、襲う過呼吸。
この感覚なんて、大嫌いだ。




「どっかの誰かとは違って、な。」

彼は馬鹿にするかのような声でそう言った。
なんでなの。おそ松。

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鬼夜狐(プロフ) - あけおめーです(*^^*ゞ今年も更新頑張って下さい(*´∇`*) (2017年1月1日 11時) (レス) id: 4f432e9546 (このIDを非表示/違反報告)
鬼夜狐(プロフ) - A.I.O.M.S.Nさん» 作者さんですよ?(o^−^o)あっ更新頑張ってね! (2016年12月31日 1時) (レス) id: 4f432e9546 (このIDを非表示/違反報告)
鬼夜狐(プロフ) - A.I.O.M.S.Nさん» 反応が可愛い(*´∇`*) (2016年12月31日 1時) (レス) id: 4f432e9546 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーと - この作品とても面白いです!!羨ましいくらi(((これからも応援してます! (2016年12月31日 1時) (レス) id: 83489bd204 (このIDを非表示/違反報告)
ほにょか(プロフ) - 面白いっす!!更新頑張ってくださいね! (2016年12月27日 17時) (レス) id: 4f432e9546 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:依愛(いあ)@あるぷすいちまんじゃく。 | 作成日時:2016年9月28日 23時

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