【おそ松さん】お前らがいる限り、元には戻れない。

23話。 ページ24

先生達にはばれないようにと
水浸しになった扉付近をトト子ちゃんと拭いた。

どっちにしろ知られてると思うけど。
私のこと。

だって、向こう側には先生をも従わせる
彼奴らが居るんだから。


「何だか頭が痛くなって来た…。」

本当は体全体が痛いんだけどね。
毎日、起床時から頭痛が激しくなるのは
色々と考え過ぎだからだろうか。


「トト子ちゃん、保健室に行ってくるね。」
「大丈夫？トト子も一緒に行こうか？」

「ありがとう。でも、大したことないから。」
「そう？」

何も考えずに私は教室を出た。

「あいつが居なくなってせいせいするな。」

私が扉を閉めた瞬間、教室内が騒がしくなった。
もちろん、暴言でだ。


私なら大丈夫だって。
ほら、トト子ちゃんや恵美、誠もいる。


でも…。


「ねぇ…聞こえてるんだよ…？」


流石にこれはきついかな…。

私は溢れ出した悲しみの雫を、
孤独感を感じながら拭き取った。







「なあ、あの女どうする？」
「そうねえ。存在がいらつくし、
閉じ込めちゃうのは〜？」

「いいな！
その方があいつを懲らしめられるし。」

「しかも今日がチャンスよ。」
「じゃあ、今日決行で決まりな！」


モブどもの言動がトト子をイラつかせる。
モブはモブらしくしなさいよね。


「チッ…。」

トト子の舌打ちが教室内に響いた。
皆の視線はトト子に向いた。

あら？トト子、そんな目は望んでないわ？
もっと素敵な目を向けなさいよ。

そんな泥のように濁った目じゃなくって。

モブなんかに、そうさせないから。
安心してね？沙織ちゃん！


ねぇ。貴方達でも、
沙織ちゃんを傷付けたら許さないわよ？

トト子は六席空いた場所をジッと見つめた。




「あ"ぁ！ズキズキするー！」

我ながら恥ずかしいほどに大きな奇声が出た。
今、襲って来た頭痛に
ひたすら耐えているところだ。


先生は何処だって？


今週から産休に入ったからいない。
臨時の先生も今は授業に出ている。


「だったら、
今日は保健室にこもってられるかも！」

あ！サボりじゃないよ？
もちろん、頭痛でだから。



「はぁ。風邪かなあ〜…。」

私は保健室のベットに寄りかかった。

風邪を引くような事はしていなかった。
自分自身では…汗。


ふと、窓の方に視線がいった。


木々の木漏れ日。
静寂と化したとした空間。


「こんな時がずっと続けばいいのに…。」


そんな事はつかの間で、
急な苦い香りと共に
私の意識は投げ飛ばされてしまった。

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