８３.名前 ページ37
「「「A……？」」」
潔君、蜂楽君、國神君の声が見事なまでに揃った。
３人共、ポカンと口を開けて呆然としている。
それは、私も同じだ。
『ち、千切君？え、えっと、何で名前……』
いきなりの名前呼びにドギマギする。
それだけじゃない。
今の私の状況は、千切君に抱き締められている形だ。
２つの事が整理し切れず、頭がパニックを起こしてしまう。
「これからは、Aって呼びたいんだ。駄目か？A」
『い、いや、そんな事は無いけど……』
千切君は、私の耳元で甘える様な声を零した。
そんな声を出されたら、嫌だなんて言える訳無い。
嬉しそうに目を細めた千切君は、更に強く私の身体を引き寄せ、首元に顔を近付けた。
益々身体に熱を持ち、情けない声を漏らしてしまう。
すると、ほんの少しだけ、首に千切君の唇が押し当てられた。
「はい、ストップ」
私と千切君の間に無理やり割って入ったのは、不機嫌そうな顔をした蜂楽君だった。
その後ろには、黒い空気を纏った國神君と潔君。
「千切……お前、御影に何してんだ」
「何って、名前呼んで抱き締めただけだけど」
國神君の低い声に、千切君は飄々と言った。
その瞬間、ピキリと國神君の額に青筋が入った気がする。
「なら、俺もAって呼ぶぞ」
『え』
私を見ながら言った國神君の言葉に驚く。
『千切が良いなら、俺も良いよな？A』と、詰め寄る國神君に思わず頷いてしまった。
ふ、２人共どうしたんだろう……。
「えー、何か嫌だな。色んな奴に、Aちゃんの名前呼ばせるの。潔もAちゃんの事、名前で呼ぶの？」
「は……？」
嫌そうに眉を顰めた蜂楽君が、潔君を見た。
そんな蜂楽君の言葉に、潔君は豆鉄砲を食らったかの様な顔をする。
顔を赤くして、『俺は……』と言葉を濁した潔君の答えを待っていると、野太い怒声が聞こえた。
「マジ巫山戯んなよ！！久遠テメェ、オラァ！！勝たせるって契約だっただろうが！！千切の足の情報隠してたんだろ！？」
チームWが、集団で久遠さんの事を蹴り上げていた。
久遠さんは弱々しい声で、『違う、本当に知らなかったんだ……！』と弁解する。
だけど誰１人、その声に耳を貸さない。
それから潔君が止めるまでチームWの攻撃は止まなかったが、一瞬の隙をついた久遠さんが逃げ出すと、皆彼を追い掛けて行った。
色々とあったが、漸く次の試合が最終戦だ。
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Banri - こはねさん» コメントありがとうございます！１番好きだと言って頂けるのは、何よりの励みになります！これからも好きだと言って頂ける様に、更新頑張りますね！今後もよろしくお願いします！ (8分前) (
レス) id: 4def71807c (このIDを非表示/違反報告)
こはね(プロフ) - ほんとに冗談抜きで今までのブルロの作品で1番好きです！笑こんなに私のドストライクの作品に出会えてほんっっとに嬉しいです〜！！ (5月12日 15時) (レス) id: 1bc7951b1f (このIDを非表示/違反報告)
Banri - poyocooooooさん» コメントありがとうございます！私の作った話をどう評価されるのかいつも気にして投稿しているので、コメントを読ませて頂いてとても自信を持つ事が出来ました！これからもよろしくお願いします！ (4月26日 17時) (レス) id: 4def71807c (このIDを非表示/違反報告)
poyocoooooo(プロフ) - 玲王との関係が私の妄想（笑）と完全一致で展開されすぎていて最新話を読んで鳥肌がたちました😍毎話ドキドキしながら読ませていただいています！他の方も書かれていますが、ほんとに星を一度しか付けられないのが悔しいですが、何度も押してます！！ (4月26日 5時) (レス) id: 7859abe11c (このIDを非表示/違反報告)
Banri - MaOさん» コメントありがとうございます！やっと玲王君との絡みを出せたと安心していたんですけど、早く他のキャラとの話も書きたいとウズウズしています笑。どのキャラとどう関わっていく事になるのか、楽しみに待って頂けたら嬉しいです！ (4月25日 19時) (レス) id: 4def71807c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Banri | 作成日時：2024年2月16日 19時
