84、何が言いたいの ページ34
川島の言葉に
心臓が今までで一番大きく跳ね上がった。
「な、なんでそんなこと聞くの…っ」
声が震えてるのが、自分でもわかった。
そんな私に川島も気付いている。絶対気付いているはずなのに
『…ふたりでいたの?』
質問を止めてくれない。
「そ、そんなこと川島に関係ないでしょ!」
大きくなってしまった声。
川島が押し黙る。
「…っていうか、川島どうしたのホントに…っ」
どうしてそんなことばかり聞くの。
何が言いたいの。
川島は何が聞きたいの。
正体のわからない熱いものが込み上げて来て、零れそうになる涙を必死に堪える私に
『……俺は…っ』
少し声を張った川島が何かを言いかけて。
数秒黙った後
『……やっぱいい。ごめん』
ブツリと電話が切れた。
『ツー・ツー・ツー』
受話器から聞こえる無機質な音を聞きながら、ずるずるとその場に座り込む。
……な、に?
どうなってるの……?
川島は
何を言おうとしてたの……?
頬を流れる涙。
震える指先。
自分の部屋の白い壁をボーっと眺めたまま
初めての経験をした17歳の誕生日は
こうして静かに日付が変わって行った。
16人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ユチコ(プロフ) - Blueheartさん» コメントありがとうございます!嬉しい〜( ;∀;)更新頑張ります〜☆ (2018年7月29日 16時) (レス) id: 05c74de8b4 (このIDを非表示/違反報告)
Blueheart - 更新頑張ってください! (2018年7月26日 18時) (レス) id: d757884bbd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ユチコ | 作成日時:2018年7月16日 12時