君という名の『愛』を見つけて

帰り道。 ページ10

その日は、融合弾で試行錯誤しているうちに夜になった。







「別に一人で平気ですよ？」








出水「ダメ。心配。」








一人で帰れると言っても、出水先輩は断固として聞き入れない。








「…あーもうわかりましたよ。その愛の形、一緒に帰りたいんでしょ。はい、どうぞご自由に。」








出水「なっ！べっ、別にそういうわけじゃねえよ！さっさと行くぞ！」








「…はい。」








そして、私たちは歩き始める。私は出水先輩より前の方を歩いた。








しばらく沈黙が続いた。








出水「そういえば、お前のサイドエフェクトって愛が見れるんだったよな？それってどんな感じなんだ？」







「…人の愛の形は、一人一人違うんです。形だけじゃなくて、色合いとか、大きさとかも。同じ愛の持ち主は見たことないです。








その愛をもとに、私は相手の気持ちを読み取れるんです。」








出水「なるほどな…だからさっきも…。」









「…出水先輩。お願いがあります。」









出水「ん？なんだ？」








だんだん、玉狛支部の建物が見えてきたところで、私は振り返った。








「私のこと、愛さないでください。」









強く、冷たい風が吹いた。

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