君という名の『愛』を見つけて

嘘。 ページ15

「ははっ。そういや、お前のサイドエフェクト忘れてたよ。







ごめん、嘘ついた。出水先輩を、今日引き離そうとしたんだけど、ダメだった。」







遊真「…引き離す？なんで？」







「出水先輩は…母さんに似てる…。








母さんは、私を愛したゆえに、私を守って死んだ。出水先輩も、そうなりそうな気がするんだ。」








遊真「ふむ…まあ気持ちは分かるが…。








だからって、出水先輩がお前の母さんと同じように死ぬってことは、ないんじゃないの？」







「…普通に考えりゃ、ね…。だが、一回死んだ身としては、二の舞になりそうな気がしてならないんだ。







それに、出水先輩は…妙な愛の形をしてる。」







遊真「いや、それは関係あるのか？」








「…あの愛は、恋愛感情以外の何物でもない…。」









遊真「…出水先輩、分かりやすいしね。」







「もう、愛されないようにするって決めたのに…。」








私がうつむくと、遊真が私の頭に手を置いた。







遊真「おれが言うのもナンだが…







こっちの世界は、お前が思っているより酷じゃないぞ。







それにお前、あの時よりいい顔してるしな。楽しいだろ？こっち。」







「た、楽しい！」








反射的にそう答えてしまった。







でも、これは嘘じゃない。

違う。→←同時に。

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