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御幸一也
御幸「突然寮泊まりたいなんて我儘言いやがって」
「だってずっと泊まってみたかったんだもん、倉持の部屋に集まって格ゲーしたり話したり楽しそうじゃん」
御幸「監督もよく許したよな」
「コンビニ行きたい」と言い出したAの付き添いで片手にビニールをぶら下げながらの帰り道。
「こんな時間に友達とコンビニ行って寮に帰るってなんか青春してるって感じでワクワクする」
御幸「いや違うとこに青春見い出せよ、彼氏つくって2人で昼飯食ったり出かけたり。この前もサッカー部の部長に呼び出されてたろ、結局付き合ってねーの?」
さり気なくずっと気になってたことを聞いてみる。
「断ったよ」
御幸「なんで」
「んーなんか違うんだよなぁ、委員会一緒で結構話はしたことあるんだけどなんかこう、気を遣うというかいや先輩だから当たり前なんだけど。とりあえず私は一緒にいて楽しくてありの〜ままの〜姿見せ〜るのよ〜、って感じの人がいい」
御幸「ふっ、なんだそれ」
「おい笑うな」
Aは男っ気が無いからあんまわかんねぇけど一緒にいて楽しい人がいいならもし倉持から告られたらどうすんの?
「……」
御幸「……」
もう、言ってもいいよな。
御幸「A、俺と付き合わね?」
「……はあ!?!?」
御幸「いやそんな驚かなくても」
「……」
御幸「え、なに、好きな人いんの?」
「御幸には教えない」
御幸「いや教えろよ、今俺Aに告ってんだぞ」
「……」
御幸「返事する気ある?俺ちょっと悲しくなってきたんだけど」
Aの顔を覗き込むと「見ないで!馬鹿!」と言われてペシっと腕を叩かれる。
少しだけAの顔が赤くなってる気がして少し期待する俺。
「……これがこたえ」
同時に俺の手に絡んでくるAの指。
Aの体温が手から伝わってきてさっきより心臓の音が速くなる。
御幸「野球ばっかの俺だけどさ世界一幸せな彼女にするよ」
「何そのセリフ臭…」
御幸「人が改まってる時にお前は!てかお前がいつも食べてるニラ餃子味のぷっちょのがくせぇかんな!」
「怒ったかんな〜〜許さないかんな〜〜橋本か〜んな!」
御幸「……」
「ねぇ何か言ってよ!」
.
沢村「倉持先輩!御幸一也とA先輩手繋いでるっす!」
倉持「あぁん!?」
沢村「2Bぼっち倉持先輩だけっすよ!」
倉持「おい沢村ァ!タイキーーック!!」
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作者名:あいななせ | 作成日時:2019年8月29日 21時