ラフプレー故に [黒バス/帝光]

22.シュート練習 ページ25

ここがこうで…こうだから…。

ブツブツと唱えながら、シュートの練習をしてみる。

｢もう、どうしてここが縮む時こっちも縮むの!!伸びろ!!私の筋肉!!｣

ボールを地面に投げつけ、へたりと座り込む。
こんなに難しいシュートは久しぶりだ。
体力、精神力共に使い切ってしまった。

｢もうやだ…やる気失せる…。｣

深いため息をつく。
なんであの高さに打ち上げて入るの?
私なんか入るどころかリングにも触れない…。
距離は届いているのになぁ。

｢あんなデタラメなシュートでなんで入るの。｣

｢ラッキーアイテムで、運勢を補正しているからな。俺のシュートは外れない。｣

｢じゃあ私もラッキーアイテムで…って何それ!?ラッキーアイテムなんて下らない。…何で緑間さんがいるんですか。15字以内でまとめてください。｣

｢音が聞こえたからなのだよ。｣

｢くっ、13字か。…で、まだ帰ってなかったんですね。｣

緑間さんは、メガネを指で押す。
転がっていたボール持ちシュートモーションに入った。

え、向こう側のゴールに入れる気ですか?
ハーフコートも離れてるのに…嘘でしょ?

打ち上がったボールは体育館の天井ギリギリまで上がり、急降下する。
リングに当たらずに、ゴールへ入った。

｢…凄い…。｣

｢お前の腕は細すぎるのだよ。｣

｢いや、緑間さんも言えませんけど。四肢全部細いじゃないですか、ほんとに食べてます?｣

｢食べている。今日はもう遅い、帰った方がいいんじゃないのか。｣

｢じゃ、帰ります。｣

ボールをカゴに戻しがらがらと、倉庫へ押していく。
後ろを振り返るともう緑間さんは居なかった。

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