宝物 3

お母さん ページ38

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母『……当ててあげようか？』


「え？」


母『テグナでしょ』


「えっ！？」


ビックリしすぎて思わず立ち上がってケータイを落としかけた。



母『あの子今アイドルやってるでしょ？ビックス』


「えっ！え！？何で！？何で知ってんの！？」



母『この間日本ツアーやった時電話したでしょ？
あんた言いたがらないから調べたのよ。どこのK-POPのグループが来てるかなんて調べればすぐ分かるし』


「あ、あぁ〜……そっか、そうだよね…」


母『で？テグナが何だって？結婚しようって？』


「えっ！？なんっ…」


納得して座りかけたのにまた飛び上がって、
朝方なのにこんな大声出してホント迷惑な住民でごめんなさい隣と下の階の部屋の人。



自分から打ち明けた展開だけども全然ついてけてない。


「え？…え？なんで？え？」


もうそれしか言えない。




母『だって口癖みたいに言ってたでしょあんた達』


「い、言ってたけど…でも…ぇ…い、いいの？」


母『いいも何も、約束したんでしょ？』


「やくそく……」


母『守りたい約束なら叶えなさい』


「っ……」



何だろう…

この母の反面教師になろうと努力してきた筈なのに、説得力がありすぎる言葉がグサッと心に突き刺さって…

言葉に詰まって意味も無く胸を押さえた。




何でお母さんってこうなんだろう？


私の言いたいことも、必死で隠そうとしてる本音も、すでにバレてて、その先の言葉を突き付けてくる。


サバサバした物言いは看護士っていう職業柄もあるだろうけど、

なんか、まるでお兄ちゃんみたい。



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