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にじゅうにの障害 ページ23

「どうしたんですか?」
「いや、えっと…」

連れてきたのはいいものの、なんて言ったらいいんだ?
目の前で不思議そうな顔をしている彼女の目を見つめることができない。
少しの焦りと不安に襲われる。動悸は鳴りやまない。

「あ、あのさ…」

そこで俺は、あることを思いついた。
『恋の厚い壁とそれを壊す方法。』の青年の告白をそのままいえば、きっと告白だと感じ取ってくれるはずだ。

「…『君には、足がない。羽のない鳥は飛べない。』」
「あの、高尾くん?」

彼女はまだ、あのセリフだとは気付いていないらしい。
このセリフ、超ハズイんだけど。

「『でも俺は、君に羽がなくたっていい。君に足がなくたっていい。』」
「たたたた、高尾くん?」

どうやら気付いたらしく、どんどん顔が赤くなっていく。
俺の顔も赤くなってるぞ、きっと。

「『俺は、君の事が好きだ。』」

言った…言ったぞ!!
この後のセリフは、小説の中では決まっていた。
そのセリフじゃなきゃ、俺はフラれたってことか……。

「『……私には、あなたの言う通り足がありません。たくさんの迷惑がかかるかもしれません。それでも、』」

そこまで言った後、彼女は黙り込んだ。
そして俺の目をみつめて、

「この後、言わなきゃいけないんですか…?」

上目づかいで言われると、いいって言いたくなる。
けど…言ってほしいんだよな。

「……言って?」
「ずるい……」

彼女は視線を外した後、再び目を合わせた。

「『それでも、私はあなたの事が好きです。あなたの側に、ずっと居させてください。』」

全身の血が沸騰した気がした。

「『もちろん、俺は君の事を離さない。』」

こここ、これって……

「ホントに、いいんだよ、ね?」
「はい。和成君。」

好きって、すごい。

こんなに熱くなるなんて、こんなに力が湧くなんて、
そして、こんなに一人の事を思えるなんて。

恋って、すごい。

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設定タグ:黒子のバスケ , 黒バス , 高尾和成   
作品ジャンル:恋愛
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にゃー助(プロフ) - 夕凪葵さんの作品大好きです!いつも見てます!だから、今回の雑談の落ち着きには、少し驚きました(笑)でもなんか、『夕凪葵さんだ…』と思えました(笑) (2014年5月7日 17時) (レス) id: e493149bc6 (このIDを非表示/違反報告)
檸檬 - やばいです!高尾君かっこいいっ!更新頑張ってください。応援してますっ (2014年4月30日 23時) (レス) id: d7d9fa8f30 (このIDを非表示/違反報告)
イリス(プロフ) - 夕凪葵さん» あたしも影山好きです(*´∀`)ストーリーもいいですもんね( ´艸`)弱ペダもTOHOanimationなのでお話の雰囲気が似ているし、ストーリー重視なら見ているうちに引き込まれていきますよ(*゜д゜*)あたしも最初はなんとなく見ている感じでしたし( ̄∇ ̄) (2014年4月29日 10時) (レス) id: 188bada48d (このIDを非表示/違反報告)
snow-rabbit(プロフ) - Twitterに書かせて貰いました!! (2014年4月28日 19時) (レス) id: 84b2ac84db (このIDを非表示/違反報告)
夕凪葵(プロフ) - イリスさん» ありがとうございますです。ハイキュー、ツッキーと影山が好きです。弧爪くんもかっこいいですよねー!弱ペダは絵がどうもダメで見てないんですが、みんなカッコいいみたいですね(*ノωノ) (2014年4月28日 19時) (レス) id: 9ee3e9c412 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:夕凪葵 | 作成日時:2014年4月16日 19時

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