モテモテな妹と、ドライな姉！！【歌い手】 (ページ8)

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先生「おーい、皆体育館行くぞー」

先生の掛け声で、みんな一斉に静かになる。

そっか、まだ入学式やってないんだった。

皆に合わせて私は席を立った。

ここの体育館、中学のよりも少し狭い。

まぁ、全校生徒も少ないし当たり前か。

整列して、校長の話を聞いていると、突然後ろから背中をツンツンされた。

「ひゃっ…」

びっくりして、思わず声を出す。

…が、声が小さかったのかみんなは気付いてないっぽい。

「な、何？」

後ろを振り返ると、そこにはそらるがいた。

整列するとき、適当に並んでそらるが後ろになったんだっけ。

そ「…校長の話長くね？」

小さな声で話し掛けてくるそらる。

そんなに長いか？

「んー、こんなもんじゃない？中学のときだって、こんな感じだったし…」

そこまで言って気が付く。

…こいつに、口を開いてしまった。

私は、中学生になってから一度もそらると会話したことは無い。

失恋した恐怖と悲しみのせいで、話すことが出来なかった。

声を掛けられても、無視してたのに。

96ちゃんや天月と一緒のクラスになって、浮かれてた。

そらるも、目見開いてるし。

でも、そんなに驚く？

てか、話し掛けても無視されるって分かってたんなら話し掛けてこなくて良かったのに。

…何なの。

「…何。何か文句でもあるの？」

いつまでも黙ったままのそらるに聞く。

そ「へ？あ、いや、ない。ごめん」

…はっきりしてよ。

校長の話がつまんなかったんなら、桜が後ろにいるんだから桜と話せばいい。

私に関わらないでほしい。

本当、訳分かんない。

私はそれから、そらるが話し掛けてきてもいつも通り無視した。

「…天月」

私も校長の話が結構続いて暇だったので、前にいる天月に話し掛けた。

なんだけど、天月は96ちゃんと話してて、気付いてもらえなかった。

本当、お似合いだよね…

これで付き合ってないって凄いよ。

2人はあくまで親友だから…って言ってるんだけど、

いやお前ら結婚しろ

ってくらい仲良いのよね。

そういう関係って、羨ましい。

私って、96ちゃんと天月に友達って認識されてるのかな…

されてたらいいな。

天「あれ、A？もしかして話し掛けてくれた？」

突然天月が振り返って、またびっくりする。

「えっ…うん。でも、96ちゃんと話してたから…」

遠慮しようと思った、と言おうとした。