ルトリアングル2

狭苦しい僕の居場所 ページ42

僕には仲間ができた。




隣にはジスがいて、ジュニがいた。




初めて僕には、僕だけの居場所ができた。




それは僕が、誰かを傷つけて、壊してきたから
手に入れることができた。




その時には、何の罪悪感もなかった




僕は僕さえ良ければいい、そう思っていた





それから僕はいろんな物を手にした





女も



お金も



仲間も






手に入れれば、手に入れるほど





壊した分、僕を埋めてくれそうな気がした





だから、僕は強い力を使って





欲しいものを欲しいままにしてきた。






それでも、何を手にしても僕は常に不安定で






僕が強くあり続けなければ、ここにはいられない






僕が、何かを壊さなければ





僕が、誰かを傷つけなければ





ジスも、ジュンも、仲間もいなくなってしまう





僕の居場所はなくなってしまう





一人ぼっちになってしまう





またあの頃と同じになってしまう





そう思うと、怖くなった





日々、僕は何かを求めていた





冷めた現実から目を逸らしたくて





自分を埋めてくれる何かを探していた





どうもこの世界は僕にとって息がしずらい




幼い頃からしたら比べ物にならないくらいに




自分で自分の首を徐々に絞めていくようで苦しい





僕は常に何かに怯えて





人を殴っては目を逸らして




女の人で心の隙間を埋めて




そんな日々を繰り返して






いつの日か僕はとうとう壊れてしまった。





もう、動けない。





人を今日は何人殴っただろう




昨日は、何人殴っただろう




今まで何人の人を僕は傷つけてきたんだろう





数えようと思ったことなんてないし
記憶にもない





もう何も考えたくない、疲れた…………






どうしようもない虚無感が襲う。






人を殴って何の意味があるんだろう




そうしないと僕は居場所を失ってしまうから




そんな所を、果たして居場所と呼んでいいんだろうか…




そこは、いるだけだ苦しくて、こんなにも辛い





僕の用意された席は、あまりにも狭くて、その下は崖のようになっているようで








「見ろ、あいつ人を殴って笑ってやがる」



「悪魔だ」







僕は、何かを壊すのが楽しいと思える少数派の人間なんだとずっと思ってきた







だけど、違った







僕はただ一人になりたくなかっただけなんだ

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